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2021-04-03

新年度が始まりました!

道端のクロッカスも咲き出して、いっせいに芽吹き始めた青森です。

いつもと違うのは、目に見えないものに私たちの行動が制限されているこの状況。

それも全世界で。。。地球上で。。。

昨年度も先の見えない状況で1年を過ごしてきました。

みんなが気をつけて、遠く離れた人を想いながら。。。

いろんなことに気をつけながら、この春にまたひとつ私たちの手を離れて巣立っていきます。

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近年全国的に古民家の良さを見直される動きが多くメディアにも取上げられることが多くなりました。某局の「ふるカフェ系 ハルさんの休日」にも古民家が多く登場します。某局の「ポツンと一軒家」もある意味その流れとも言えるかもしれません。

ドライブしながらでも、古民家に目が引かれるようになりました。

まだまだ日本にはたくさんの古きよき物が存在していることを実感せずにはいられません。

そして昨年度も、古民家の再生のお手伝いをする機会に恵まれました。

古民家の興味深いところは、それぞれに刻まれてきた歴史があること。

住宅の設計をするときには、クライアントを知ることからスタートしますが、古民家の場合はまさにその建物の歴史を知ることから始まります。

建ってどのくらいなのか、どのように使われてきた建物なのか、そしてこれからどのように使われようとしているのか。。。

それらを知って初めて、どんなデザインが必要なのか、見えてくるものだからです。

ずうっと眠っていた古民家ならば尚更、単なる再生では時代錯誤のまま、飾り物になってしまいます。

博物館に展示するように、そのまま保存するケースも確かにあります。

でも、現代の社会で本来の「建物としての役割」を担ってもらうのであれば、リデザインしなければ息を吹き返すことができません。

この場所(地域)にはどんな居場所が必要なんだろう?

その答えを探すために、その地域に何度も足を運びます。

その地域の独特の空気感や時間の流れ、そこに暮らす人たち。。。

それを感じ取ってデザインしていきます。

それまで当たり前だったものが、新たなデザインにより浮き上がってきたり。。。

今まで見えていなかったものが、はっきりと見えるようになって驚いたり。。。

一度も入ったことのなかったのに、これからはちょこっと寄っていきたくなる。。。

古民家再生のデザインは、暗がりの中にごちゃまぜで詰め込んであったものを、きれいに整理して並べ替えるような作業をして、こんなにすごいものがあったんだって改めて気がつくような器に仕上げるようなことかもしれません。

いいえ、それは古民家に限らず、このようなプロジェクトとニーズは至る所で多くなっているのを痛感します。

これまでの宝物たちが少しくすんでしまっている状態から、どこをどんな風に磨いたら再び輝きだすのか、それを考えるのはとてもワクワクします。

そのためには一緒に磨く人が必要で、そのためには時間も必要で、決して楽な作業ではないかもしれない。

でもそんな奇跡のようなタイミングも、じっと見続けていれば気がつけるのかもしれない。

そう思いながら新しい春を迎えます。

公開まで、もう少しお待ち下さい!