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2021-11-02

about「+C(プラスシー)」

このプロジェクトは、青森田中学園様が大学20周年記念事業で、これまでの学園の歴史を振り返ると共に、様々な情報発信の場として展示コーナーを整備することを目的として、スタートしました。
対象の場所は、本学園由緒ある一号館の「アプローチ部分」と、そこに面する「二教室空間」。このエリアは各棟、他学科をつなぐ中心的な場所で、昼のランチや自習、歓談等で学生達に親しまれている場所です。
機能的には、様々な場面において、学園の歴史や学科、施設等を分かりやすく紹介できると共に、現在の研究や活動など、学生を中心とした情報発信の場としても利用される場所となります。
そして、単なる展示コーナーに留まらず、ランチや課題発表、学生の居場所としての性格も併せ持つことで自校教育につながるような場所を目指しました。

Site

青森田中学園の敷地内には、大学、短期大学、専門学校、認定こども園、介護老人福祉施設など多種多用な施設が混在している。各棟にも人が集まるコモンスペースのようなものはあるが、それぞれの学科で完結してしまっているので、学科を越えての交流は少ない。今回の改修の場所は敷地内1号館1階にあり、正面出入口はバス乗降場に近接している。ここから図書館や食堂、各棟の各学科教室へ移動することができ、多くの人が通る場所となっている。

Before Plan

現在1号館正面出入口はバス乗降口に近接していることもあり、学生にとっての玄関口であり、この廊下を通って各棟へ移動するケースが多い。また、昼食時に開放される711講義室や、売店に面しているので、以前からランチ等で学生が集まりやすい。その一方で、冬期は特に冷気が入りやすいため学生の利用は限られている。今回の改修対象はこの廊下に面した2教室が対象である。

Pre Design

様々な関係者への学園紹介のスペースをつくるべく、以下の4つの目的が求められた。そこで、どのような空間を目指すべきかアンケートやヒアリング調査を行った。その結果、そろばんやファッションなどの学園特有の資料や情報があることがわかった。また、学生の居場所が必要という意見も多く、それらを元に基本設計へとまとめていった。

目的
1:在学生に誇りを持ってもらえるよう、学園の実績・伝統を伝える場所。
2:高校生、保護者、地域の方々への情報提供の場所。
3:学園の各学科紹介の場所。
4:学園所有の貴重品(そろばん、記念誌等)の管理場所。

~展示品調査~

展示品はキャンパス模型や学園の変遷資料、過去の校旗、校章看板などが様々な場所に眠っていた。これらを調査・把握し、展示方法について検討した。学園の歴史を振り返る多くの資料を現時点で取りまとめ、年表を作成することになった。

アンケート調査

アンケート調査に関するテキストをここに入れます。 アンケート調査に関するテキストをここに入れます。 アンケアンケート項目内の「学園の誇れるところ」「学園が外部にアピールすべきところ」の回答として、学園の歴史以外に、「国際交流」「人材育成」「地域貢献」などのキーワードが多く見られ、さらに「教育」「活動」と関連づけるものも多く、それらを広く周知するための展示とする意見が多かった。また、歴史や施設・設備などの「固定的な展示」と活動や国際交流など学園の居間を紹介する展示や催事などの「多様な企画展示」をバランスよく配置し、展示の更新など継続しやすい展示スペースを確保することが望まれた。

Space Image

Space Imageに関するテキストをここにいれます。 pace Imageに関するテキストをここにいれます。 pace Imageに展示物はわかりやすく(=説明しやすい)、情報の更新や企画展などもしやすい構成とし、それらは通路から奥へと引き込む形態デザインとした。奥に幾つかのスペースを確保することにより、通路空間から立ち寄れる空間へと変化させた。在学生はより深く本学について知り、時には自身がその展示や発表の表現者となり、時には観客となって共に自尊心を育むスペースとなるようデザインとした。普段から何気なく立ち寄る機会が増え、自然な形で多様性のある交流がより行われるスペースを作り、見学の精神に則った自校教育を目指した。

Idea

Idea A

キューブに展示や居場所の機能を持たせ、空間に配置し多様な空間。

Idea B

展示を兼ねた間仕切壁を設け、廊下に対して開かれた展示空間と居場所。

Idea C

開かれた空間に様々な機能を持つ小上がりを設け、多様なアクティビティを生むデザイン。廊下との間仕切りは展示扉として利用。

Concept Diagram

目的ごとに閉じられた空間ではなく、フレキシブルに空間が変化することで、ひとつの空間の中で多様なアクティビティが展開する。

After Plan

空間半分のCUBEを移動し大きくスペースを確保した状態。広い空間を使ったワークショップやイベントの会場として活用出来る。通路と接続することで賑わいが増す。

 

空間全体に散りばめられたCUBEにより、通路部分と連続しながら、さまざまな居場所を形成している。展示空間でありながら、学生が活動する場となっている。

壁面年表前のCUBEを移動し、倉庫から折りたたみ式の椅子を展開することで、プレジェクターなどを使い学校説明会や公開授業、発表会を行うことが可能。通路側と距離を取りつつも中の様子を伺うことができる。

CUBE Design

展示と居場所を両立するために様々な大きさと機能のCube(立方体)をデザイン。

Date

建築名称:+C(プラスシー)
所在地:青森県青森市
設計・監理:フクシアンドフクシ建築事務所(福士譲、福士美奈子、小林繁明)
施工:株式会社田名部組(代表取締役 田名部智之)
構造:RC造
階数:4F(対象階1F)
改修対象面積:255.15㎡
天井高さ:2800mm
暖房設備:FF式ストーブ
床:タイルカーペット敷
壁:石こうボードにクロス貼り

Gallary

風除室から+Cを見る。大小様々なCUBE(白い箱)が点在し、学生たちは様々な時間を過ごす。
小上がりCUBEとカーテンCUBEを見る。奥にはこれまでの学園の歴史が紹介されている。
廊下から+Cを見る。点在するCUBEの間を視線が抜ける。
廊下に開かれた+C。奥には711講義室が見える。
模型の入った展示CUBE大。
貴重品が展示された展示CUBE小。