









場所は青森市。積雪都市として特有の無落雪屋根の箱形住宅が多く並ぶ住宅街の一角で、南側は比較的交通量の多い道路、東側は歩行者専用道路に面した50坪弱の敷地であった。
1年の3分の1は雪に覆われるこの地域では、小さめの窓が一層閉鎖的な印象を与える住宅が少なくない。そこで、歩行者専用道路への開き方を意識し、小さくても明るく開放的な住まいをデザインした。外壁の凸凹は、内部ではそのままいくつかの居場所となり、間仕切壁の無いゆるやかに連続するワンルームとした。
延べ面積26.5坪の中に、奥行き11m、高さ5.3mの大きな空間を内包し、夜には大きな窓から溢れる灯りがまちの行燈となる。青森では一般的な工法、仕様を用いてコストバランスを図りながら、津軽弁でいう「あずましい家」としての一つの提案である。
桂木の家(カツラギノイエ)
- 所在地 青森県青森市
- 対象面積 90.63㎡
- 竣工 2007年
- 構造規模 木造地上2階建て
- 建築用途 専用住宅