新しい年へ
いつもより少し遅い一面の銀世界がやってきた青森です。
でもその雪もあっという間に消えて、師走の慌ただしさに追われています。
今年も残すところ20日となりました。
新年を迎えるにあたり、次へとバトンを渡すための大切な時間です。
ーーー
コロナ渦も様々状況を変えて、今度はオミクロンなるものが世界に広がっています。
この2年間に今までにない状況を経験し、これからももうしばらくは続くのでしょう。
でも、人々は動き始めています。
人間はそう弱くはない、そう思えたこの一年となりました。
過去から現代へ、そして未来へ。
バトンは常に受け継がれてきたもの、それをつなぐことがどれほど大切なことか。
それを考えさせられた一年でした。
それでも人間は進み続けることができると、進みつづけるしかないと思うのです。
ーーー
次へと渡すバトンは色々人それぞれで、私たちが渡すバトンも色々あって。
「曲屋 KANEKO」は、日本最古の厩舎はもちろん、その地域の歴史や文化をつなぐバトンとなるようデザインしました。
そして今度は、何十年と学生を育んできたキャンパスを未来へつなぐデザインを考えています。
これまで刻まれてきたものを大切にしながら、未来へつながるデザインとは。
10年先、100年先を見据えたマップを描きながら、ひとつひとつデザインしています。
ーーー
それまで当たり前だった風景が少し変わって見えるような、そんな実験を先日おこないました。
車での移動が当たり前の現在、歩行者は車に気をつけながら歩くのが当然のようになっています。
キャンパスでも同様に、その利便性を高めるため学生用の駐車場を整備し、様々なサービス車両のための動線計画がされてきました。
でも本来、キャンパスを長時間利用する学生にとって車との時間は一瞬なハズ。
車を使うことによりできた時間を有効に使うキャンパスが、車優先でいいのだろうか?
そんな思いをチームで話し合い、温めてきました。
そして今回、学生が行き交うキャンパスをより魅力的に未来へつなげるための小さな実験からスタートしました。
ーーー
今回の対象地は、普段は双方向でサービス車両が行き交い、一時的に駐車する車もいるキャンパス内の道です。
通過する際のスピードが速い車もいて歩行者は常に車に注意を払って通行しています。
そんな、いつの間にか車優先になっていたキャンパス内の道に、仮説で居場所を作りました。
車にとっては障害物のようなものを置くことで、速度減速と駐車を少なくできるのではと考えたからです。
また障害物を「居場所」としてデザインすることによって、「車優先の道路」から「学生の屋外空間」へと変化できるのではないかと。
初回ともあって短い時間でのチャレンジでしたが、実際に車の動きも確認でき、居場所としてのしつらいの課題も見えてきました。
何気なく通りかかった学生や教職員の方々も興味を持っていただけたようで、ご意見を取り入れながら次へとつなぐバトンができました。
今後も試行錯誤しながら進めていきたいと思います。
これからやってくる白い季節に、色々思い浮かべて新しい年に花を咲かせるために。
ーーー
撤収の日は雨と風に見舞われましたが、マスキングテープは思いの外剥がれずに頑張ってました。
帰りには虹も現れて。
次回に向けてワクワク感を抱きつつ、さあ、残りの冬支度も急がなくては!