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2022-01-09

2022年あけましておめでとうございます

年末の記録的な大雪もひと息ついて、少しだけホッとしていたのも束の間

今度はオミクロンが猛威をふるい始めている年明けとなりました。

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雪と一言でいっても様々で、歌詞にもあるように七つどころかまるで生き物のように表情を変えます。

さっきまで羽が舞い降りるようにフワフワと降っていたかと思えば、あっという間に前が見えなくなるほどの量で降り出して全てを真っ白にしてしまいます。

最近は風と一緒に地吹雪となって、一瞬にして方向感覚を失う恐怖を伴う降りかたも。

かと思えば、突然止んで青空が広がり太陽が顔を出し、真っ白な雪に反射して目が開けていられない瞬間も。

雪片付けに追われるのは当然のことで、車が家から出られるようにしておくのはもちろん、大雪の日には玄関すら埋もれていることもあり、常に雪かきには神経を使い、かつ体力が問われます。

そして屋根からの雪にも十分注意が必要です。

風によって屋根から跳ね出した庇のように雪の塊がつくことがあります。これを「雪庇(せっぴ)と言います。

これが暖気になると一度に落下することがあり、その荷重は楽に自動車を潰してしまう程の重みになります。

その下を歩くことは危険そのものなのです。

また、青森では1mを超える積雪は珍しくないのですが、あまり積もりすぎると家への荷重がかかるので、その時は屋根に登って雪を下ろす必要があります。

これも大変危険です。上で作業する人も、下にいる人も十分注意しなければなりません。

設計する際に冬の状況を想定した計画をするのはとても大切なことです。

雪国って大変ですよね。

それでもこうして暮らしている人がいるって、それ以上に凄いことですよね。

なぜでしょう?

時には牙をむく雪も、あたり一面を真っ白な美しい世界へ変えてしまったり、静かにゆっくり舞い降りる姿に時間を忘れてしまったり、と私たちに与えてくれるものも多いからなのかもしれません。

そしてそれは人間の力ではコントロールすることはできない。

人間はひたすら雪のような自然に学び、知恵で対応していく。

尊敬と畏怖の念を持って。

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厳しい環境だからこそ、空間を形造るには技術と知識と知恵を活かした設計が大切なのだと思います。

それは青森に限ったことではなく、どの地域どの場所においても同様です。

それぞれの環境を読み解き、冬はもちろん四季を考え、未来を想像しながら今年もデザインしていきたいと思います。

雪で疲労困憊していても、その疲れを癒す空間があることでその美しさも時折感じながらまた一冬越していきます。

外の凍てつく寒さと薪が赤々と燃える炎を同時に眺めることができるこの時期に、

必ずやってくる春と新年のワクワク感に思いを馳せて。

本年もよろしくお願いいたします!

桂木の家 青森市 2007年