toggle
2020-03-31

それでも春はやって来る

新型コロナの勢いがとまりません。
全世界で新型コロナが猛威を振るっています。
1ヶ月前に嫌な予感がしながらも、「きっと事態は好転する」と思っていた(正確には、『思いたかった』)のですが、まだまだ先が不透明なまま春を迎えています。
オリンピックは1年後に延期となり、様々なイベントも延期や中止となり、それでもじっと耐えなければいけないこの状況に皆が息の詰まる思いでいます。
感染で苦しんでいる方はもちろん、大切な人を亡くした方、経済的な打撃を受けている人もたくさんいるでしょう。
先日完成を迎え、いよいよお披露目の予定だった曲屋も、しばし静かにその時を待つことになりました。
ーーー
それでも、ずっとこのままではないはずです。
一時期トイレットペーパーが店から消えましたが、今は徐々にお店に並んできています。
トイレも受注受付がストップになっていましたが、受注再開し始めています。
状況は動いています。
もちろん正常のときと比べ、まだまだマスクや消毒アルコールは無いし、トイレも納期がだいぶかかります。
それでも、状況は動いているのです。
そこで懸命に頑張っている人々がいるからです。
そしてきっと、新型コロナに効く薬も開発されるはずです!
それまで、私たちができることをしっかり続けていくのみ、です。
ーーー
曲屋では、家具などの搬入も進んでいます。
たくさんの人たちがこの牧場の風景や馬たちに癒される、その日を夢見てここでも頑張っている人たちがいます。
いよいよ、新たな呼吸をし始めたこの曲屋に、足を踏み入れ、ここで何かが始まります。
このプロジェクトは、「この曲り屋を未来へつなげたい」というオーナーの強い意志からスタートしましたが
多くの方々に助けられて完成までたどりつきました。
冬の間ずっと頑張ってくれた大工さん建具やさん設備屋さんはもちろん、
馬の歴史をお話ししてくださり蹄鉄を貸してくださった蹄鉄職人のTさん、
この曲屋のために南部小絵馬を描いてくださったSさん、
この地域や場所にふさわしい南部菱刺の図案を考え、一緒に刺してくださったKさん、
馬をモチーフにしたスツールをつくってくれた家具職人のSさん、
他にもたくさんの方々の協力により、100歳を超えたこの建物は次の100年へと向かいます。
その一端を担うことができたのは、とても嬉しいことで感謝の気持ちでいっぱいです。
どうぞ、多くの方に曲屋を感じて親しんでもらえますように。
ーーー
明日からは2020年度がスタートします。
私たちはまた新たな場所でもこのプロジェクトについてご紹介していきます。
決して同じプロジェクトはないけれど、ともに考え、ともにつくる人々を集めていく、
その過程が設計の一つの役割なのかもしれません。
建築は一人ではできない、考えるときも、つくるときも。
でも紙にひいたその線に確信と責任を持つのが建築家だと考えています。
ーーー
ガウディは言いました「諸君、明日はもっと良いものをつくろう」
身動きがとれない時間は、じっと考え、また新たな空間へ想いを馳せる貴重な時間。
明日、もっと良いものをつくるために。