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2018-03-20 | Blog

建築家 小堀哲夫氏講演会開催のご案内

つい先日まであんなにたくさんの雪に埋もれていたはずなのに、それを思い出すのが難しいほど景色が春へ春へと急いでいる早春の青森です。

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そのワクワク感をさらに倍増させるように、来る4月27日(金)プラスえん(青森市新町)にて 建築家・小堀哲夫氏の講演会が開催されます。

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小堀さんはJIA日本建築大賞、日本建築学会賞をはじめ受賞多数の建築家です。

タイトルは「建築と環境と人間」

建築デザインと環境設備の統合して心地よい空間を目指している小堀さんの作品を拝見しながら、ご本人にお話をうかがえる貴重な機会です!

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先着40名限定の講演会、お早めにお申し込みください。

お聴き逃しなく!

2018-03-12 | Blog

イベントを終えて。

青森県立美術館にて2日間、ポスターや模型とともにこれまでの作品をご紹介してきました。

「シャガール展」の開催と重なったこともあって、多くの方々にご覧いただき、お話しすることができました。

ご来場ありがとうございました!

特に青森市にある「パン&フロマージュ モンドール」「Rambler Fiowers」「フトンショップみやかわ」「橋本の家」はご存知の方も多く、楽しくお話させていただきました。

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ある方には「フクシアンドフクシの『売り』は何ですか?」と問われました。

建築家の安藤忠雄さんが「コンクリート打ち放し」で一躍世界的にも有名になりましたが、わたしたちには「これっ」と定まった素材などはありません。

「まだ」ないのか「ずっと」ないのか、わたしたち自身、試行錯誤の毎日です。

では、何がわたしたちの「売り」なのか。

ひとつは「プランのつくりかた」にあると思っています。

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パッケージ型の設計と大きく違うところは、何もないところに新たな空間作り出すことです。

何もないように見えて、そこには小さな種がたくさん眠っています。

「土地の特徴」「光の動き」「風の向き」「雪の降り方」「隣りや向かい」「家族」「シェフ」「花人」「協働」「共生」「趣味」。。。

それらが綺麗に咲き誇る素敵な花畑をつくることが、わたしたちのプランニング手法です。

その場所に、そこにしかない風や光を感じて、住宅ならばその家族のための、お店ならばクライアントが提供するための空間を求めて、たくさんのプランをつくります。

そしてそれらを作っては分解し、ふたたびつなぎ合わせたりしながら、たった一つのプランつくりあげます。

そんな設計手法を20年近く続けてきて、それがわたしたちの「売り」なのかもしれません。

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そしてイベント最終日の昨日は3・11。

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東日本大震災から7年を迎えました。

あっという間の7年でした。

息が詰まるような思いの日々から、ゆっくり深呼吸をして、立ち上がり、再び歩けるようになりました。

その日に、また新たな出会いの機会に恵まれ、これからも前を向いて歩いていけることを素直に喜び、明日からもがんばっていきたいと思います。

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次回は5月に「シコウアンドサクゴ展」を予定しています。

詳しくは後日HPにてご案内いたしますので、いましばらくお待ち下さい。

2018-02-27 | Blog

大館にてご紹介

三寒四温という言葉が聞かれるようになりました。

日差しは日に日に強くなっています。

まだまだ雪が消えるには時間がかかりそうですが、遠くない春の訪れに気持ちが明るくなる今日この頃です。

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さて、3月に入って最初の土日は秋田県大館市で開催されます「第45回未来をのぞく住宅展」に福士譲が参加いたします!

写真や模型など展示し、現在進行中のものも先行してご紹介いたします。

さらに当日は「開放的な雪国の暮らし」についてお話しすることになりました。

今年は特に多かった雪。。。

雪国だからこそできる暮らしをご紹介したいと思います。

会場でお待ちしております!

2018-02-19 | Blog

ワラッシ〜出張版〜@浪岡を終えて

外は氷点下の吹雪。

でも会場は集まった子どもたちの熱気で暑いほど!

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「建築士のおしごと体験」ということで、、、

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「ケンチク」ってわかっているようでわからないよね。

「設計」っていってもイロイロあるんだよ。

「意匠設計」とか、「構造設計」とか、「設備設計」とか、、、

そしてそれ以上に多種多様な技術を持った「つくる(施工)」人たちの存在。

で、私たちはどんな建物をつくってきたか。。。

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「早くつくりたい!」と目で訴える子どもたちに、そんなことを掻い摘んで、掻い摘んで説明。

まあ待って、建築士のおしごとも一応説明しないとね。。。

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そして、いよいよスタート。

真っ白なひらひらの紙を折り、立体を作っていきます。

今回は2種類の屋根を用意したので、どちらかを選んでもらいます。

(ここでまず悩んでもらいます!)

そしてなんとなく形が決まったところで、次は着色へ。

真っ白の紙にどんな色をのせるのか、ここで個性が見え始めます。

なんの迷いもなく、ペンを取り塗り始める子(まさにアーティスティックな子です!)もいるなかで、多くの子は悩んで固まってしまいます。

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でも、これは当然のことです。

私たちが設計するときも、条件があってそこから空間をデザインし始めます。

「この家族はどんな暮らしを楽しむんだろう?」

一緒に会話を楽しみながら、その空間をイメージして生まれてくるものだからです。

でも今回はクライアントが子どもたち自身。

子こどもたちは「自分」というクライアントと対話します。

私たちはちょっとだけヒントを。

「好きな色や模様は?」

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すると徐々にペンが動き出します。

あとはそれぞれのペースで描くのみ!

1時間弱の子どもたちの集中力は素晴らしい!!

黙々と作業が続きます。

すると、自然に個性があふれ始めて。

あとは、それぞれの個性がより弾けるように声をかけるだけ。

「すごい!綺麗な色の組み合わせだね」

「細かく描くところが上手なんだね!」

「その組み合わせ、すごくいいね!」

ーーー

こちらも新鮮な驚きを受けながら、時折ちょっとだけアドバイスも。

「時々また組み立てて、屋根と壁のバランスを見ながらもう一度塗ってみよう!」

「色の組み合わせで、印象がこんな風に変わるね!」

タイムリミットが近づいても、まだまだ描き足りない子。

ちょっと紅潮した顔で、「今度はあんな模型をつくりたい!」と持参した大きな模型を指さす子。

子供達は出来上がった「自分だけの家」を抱えて「またね!」と言って帰っていきました。

「衣・食・住」と言われるように、住まいをはじめとして「ケンチク」はいつも私たちのそばにいます。

多種多様なカタチで。

私たちの仕事はその一端にすぎません。

でも、単なる大きな構造物をつくっているわけではなく、その場所にしかない空間を生み出す仕事だと思っています。

それがデザインだと。

それは簡単なことではなく、いまだに毎日がシコウアンドサクゴの日々です。

完成までの長い月日をかけて、その後の何倍も長い年月を生き続ける「ケンチク」をデザインしています。

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今回のイベントを通して、わたしたちの仕事を再確認したような気がしました。

またどこかで、わたしたちのお仕事を紹介できれば幸いです。

「そんな仕事をしてみたいな。。。」

彼らがちょっとでも思ってくれたなら、とてもうれしく思います。

私たちは体力が続く限り、ずっとこの仕事を続けていくでしょう。

ヨボヨボになった私たちの前に、「建築家になりました!」と大きく成長した誰かが訪ねて来てくれることを楽しみに。

2018-02-17 | Blog

設計講評会

久しぶりの母校にて設計講評会に参加してきました。

修士を終了したのが1996年ですので、気がつけば22年も経っていました。

仙台を離れてから15年後、2011年の東日本大震災で母校は被災し、学園風景は大きく変わりました。

思い出の製図室はもうないけれど、学生は相変わらず足掻いていました。

私たち自身もとても勉強になるとともに、建築家としてこれからもっと足掻いていかなくては!と気持ち新たに、学生気分に浸った1日でした!

2018-02-12 | Blog

建築展2018を終えて

先週2/10(土)・11(日)の2日間にわたって青森市民美術展示館にて開催されました「建築展2018」にご来場いただいた皆様、ありがとうございました。

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「青森で建てること。」をテーマにプレゼンテーションを行い、VR(バーチャルリアリティー)なども登場して、わたしたちも学ぶことの多い展示会となりました。

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上階では「第7回東奥児童書道展」なども開催中とあって、想像以上に多くの方々に見ていただきました。

と同時に、告知不足を痛感。。。

「青森の暮らし」に直結する「青森の建築」をもっと知ってもらえるよう、これからも頑張らねば!と思ったのでした。。。

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福井など北陸の豪雪は、青森(特に青森市!)でいつ起こっても不思議ではありません。

自然と向き合い、青森ならではの暮らしを今だからこそ考えていこうと思います!

2018-02-09 | Blog

平成29年度東北大学卒業設計・修士設計公開審査会

2月16日東北大学にて開催されます平成29年度卒業設計・修士設計公開審査会に審査員として参加します。

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気づけば大学から社会へと踏み出してから、早いもので20年を過ぎました。

気持ちはいつまでも学生気分ですが、実際はかなりの仕事をこなしてきたハズです。

本当にちゃんと建築と向き合ってきたのか、そう問い直す機会を与えられたのでしょう。

それでも積み重ねてきたであろう「何か」を確認する意味でも、彼らの作品と向き合ってきたいと思います。

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大学生になるまで約20年ー

社会人となってから約20年ー

そしてこれからの約20年ー

年を重ねるほどにその20年はどんどん短くなっているように感じています。

だからこそ、1日1日を大切にしていきたいと思います。

とても楽しみです!

2018-02-02 | Blog

建築展2018

2018年明けて早くも2月に入りました。

あと一ヶ月は雪との格闘が続きそうですが、朝明るくなるのが早くなってきているのを感じます。

春に向かって確実に進んでいるんですね!

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さて、まだまだ寒さ厳しい季節ですが、そんなときだからこそ熱い⁉︎企画が目白押しな2月です。

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来週2/10(土)、11(日)に迫った『建築展2018』

今年のテーマは「青森で建てること。」

青森県内の建築家有志が設計活動をご紹介します。

パネルや模型の展示のほか、今回は出展者が生でプレゼンテーション!(2/10  15時30分〜)

普段わたしたちが青森でどんなことを考え設計しているのか、直接お話しします。

続いて暖房セミナーも開催!

青森ならではの内容になっています。

青森市民美術展示館(協同組合タッケン美術展示館)にて二日間開催です。

入場無料ですので、お気軽にお越しください!

2018-01-17 | Blog

〜ワラッシ!出張版〜に参加します!

去年青森市荒川市民センターにて開催されました〜ワラッシ!出張版〜。

来たる2月18日に青森市浪岡にて再び開催されます!

先日の広報あおもり1/15号にお知らせが掲載されています。

1/26まで募集中‼︎

またまた未来の建築士が目覚めちゃうなぁ(≧∀≦)

わたしたちもとても楽しみです!

詳しくはコチラ

2018-01-12 | Blog

傾斜地に建つ

はじめてお会いしたのはいつだったか。。。

この緩やかに下っていく敷地を目の前にして夢のプランをお聞きしたのは。。。

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この頃はこの場所に到着すると、「あぁ着いた」となんとも言えない愛着感を抱くようになって。。。

敷地ラインなんてものは存在しないかのような、どこまでもゆったり下っていく敷地。

そこに馴染むようにのびやかな空間をつくります。

時間かけて、会話を重ねて、カタチがだんだんとハッキリしてきました。

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2018年の完成を目指します。

私たちもとても楽しみです!

2018-01-01 | Blog

あけましておめでとうございます

昨年は様々な挑戦とともに色々な方にお会いすることができ、おかげさまで充実した毎日を過ごすことができました。

本年もより一層の努力と挑戦を続けていきたいと考えております。

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この絵は、私達が同志とともに思い描く駅前再開発ビル再蘇アウガをイメージして描いたものです。

市場での買い物客や、観光客、普段の居場所として寛ぐ市民。

時には演劇やライブも催されることもあるかもしれません。そんな色んな人達が、新町通りや駅前の公園に溢れていく、賑わいのある街並です。

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そして今年1月4日には、駅前市役所庁舎として新生アウガが動き出します。

私達が携わった青森市役所本庁舎のほうは三階建と低層になりましたが、当初からの広場があります。(わずかではありますが。。。)

アウガとそれらがリンクして、街の賑わいの一助になればと思ったりします。

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昨年までの様々な試みを振り返ってみると、街には多様な居場所が求められているのだなと改めて強く感じるようになりました。

そして私達は、つくること(保存再生、減築、プログラム編集等々)で社会貢献をしていきたいと考えています。

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今年もまた、色々とシコウアンドサクゴしながら一歩づつ進めていきます。

2018年もフクシアンドフクシをどうぞよろしくお願い申し上げます。

2017-12-30 | Blog

「望年会」に参加して。

17年も残すところあと1日となりました。

新しい年を迎えるために、事務所もスッキリさせて本年の業務完了です。

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先日サンネット様の「望年会」にお邪魔して楽しい時間を過ごさせていただきました。

その中の年間ランキングで「プラスえん」が堂々の1位に!

みんなで手探りして考えたサードプレイス。

あの居場所がオープンして早8ヶ月。

それがどんな居場所なのか、これからもそのシコウアンドサクゴは続くでしょう。

でもきっと、来年も再来年も進化続ける、根拠はないけれどそんな確信を持った師走のひと時でした。

それは何故か?

あの居場所が「いつでもおいで」と待っていてくれるからなのかもしれません。

実現できて本当によかったです。

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私たちも今年たくさんの経験をしました。

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1月 H美術館プロポーザルに参加し、落選。

2月 「ランブラーフラワーズ」がリニューアルオープンしました。

3月 「桜屋敷の家」(岩手県奥州市)が完成しました。

4月 新しくスタッフを迎え、パワーアップして新年度スタートしました。

5月 「プラスえん」が開所しました。

6月 これからの働きかたを模索し始めました。

7月 新たなサードプレイスづくりの構想がスタートしました。

8月 H市庁舎プロポーザルに参加し、二次審査に進むも及ばず。

9月 AT学園の基本計画着手しました。

10月 青葉工業会「ケンチクのつくり方」講演会+作品見学会を行いました。

12月 A市役所庁舎の業務が完了しました。

ーーー

たくさんの方と出会い、多くの方に支えられて一年。

来年へと繋がっていることばかりです。

これまでこんなにいろんなことが同時進行している年越しはありません。

新年もフクシアンドフクシのシコウアンドサクゴが続きます!

あらためて皆様に感謝申し上げます。

そして来年も引き続きよろしくお願いいたします。

では皆様、よいお年をお迎えください。

2017-12-11 | Blog

ワラッシ、無事終了しました!

建築士のお仕事体験、無事終了しました。

雪でかなり寒い、という天気予報を裏切って時折青空も顔を見せる穏やかな日になりました。

朝会場入りしたときには、もうすでにたくさんのファミリーが賑やかに集まってきていて、集合時間を間違えたのか、と思ってしまうほどでした。

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体験時間が始まった頃には、どのエリアも大変な人だったようで、みなさん本当に楽しみにしてたイベントだったんだ、そしてそれに参加できて嬉しく思いました。

スタッフと関係者のみなさまに、改めて感謝いたします。ありがとうございました。

ーーー

さて、参加してくれた未来の建築士さんたちは、短い時間でしたがとても頑張ってくれました!

白い紙が立体になり、そしてそれに色を入れていく。

そんなシンプルな作業でも、自分のデザインを考え表現するのはとても難しく、脳にかなりの酸素を送らなければできないことです。

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「さあ!じゃあいよいよ色をつけていきましょう‼︎」を合図にそのスイッチがはいります。

始めの一筆が早い人もいれば、しばし固まってしまう人、ペースは様々ですがいつしかみんな作業に没頭。。。

見ている周りが緊張してしまうほど、集中して作業していました。

ーーー

きっとあっという間だったでしょう。

紙の箱の中に自分だけの空間を完成させ、心地良い疲労感とお給料を手にして次の会場へ

と旅立っていきました。

ーーー

好きなことに時間を使い、それがお仕事となる。

それが理想であり、実際は簡単なことじゃないけど、それを目指して私たちは日々を生きてます。

だからこそ、こどもたちにはまず、自分の好きなこと探してほしい。

たくさんのお仕事が体験できる今回のイベント「ワラッシ」は最適な時間です。

こんな機会がこれからも増えて、広がっていくといいな、と思います。

そして私たちのお仕事もご紹介していきたいと思った「体験」でした。

将来どこかで一緒にお仕事できる日を楽しみに!

2017-12-05 | Blog

ワラッシ〜出張版〜準備中です!

今度の日曜日、12/10に開催されます「ワラッシ〜出張版〜」に、お家づくり体験で参加します!

事前申し込みで人気が高かった、とのこと。

ご期待を裏切らないように、絶賛準備中です!

当日は、わいわい楽しく作りましょう‼︎

お楽しみに〜^ ^

2017-11-10 | Blog

そこにしかない空間を探して

先日、高低差のあるこの土地に位置出しをしました。

やっとプランの輪郭がみえました。

そこから見えたのは、

「うん、いい感じ。。。」

ーーー

そこにしかない風を読み

そこにしかない光を受けて

そこにしかない空気を感じる。

そして、そこに集う家族のイメージが重なった時、

そこにしかない空間が生まれる。

ーーー

だから建築って面白い、

とづくづく思う瞬間です。

2017-10-28 | Blog

ケンチクのつくり方

リプラン、みなさんご覧になったでしょうか?

「桜屋敷の家」がHPに先行して公開になりました!

・・・

数年前にオープンハウスでお会いしてからかれこれ5年以上。

イベントに、オープンハウスにと幾度となく足をお運びいただき、お話しを重ねてきました。

そして満を持していよいよ家づくりがスタート。

敷地探しからお手伝いさせていただき、台形の土地に曲がり屋をイメージして、今年の春に「桜屋敷の家」は完成しました。

それから早半年が過ぎ、ご家族のカラーで染まって生き生きしている姿をカメラマンが捉えてくれました。

・・・

住宅を設計するときはいつも

「ご家族にとってどんな家がいいのだろう。」

「この場所の光や風や雪に似合う空間はどんなだろう。」

毎回違う課題に、ご家族と一緒に考え探しながら設計を進めていきます。

最近は、住宅の他に公共的な建築の設計に携わることが多くなりました。

たくさんの人が使う建物ほど、住宅のようにひとりひとりお話を伺いながら設計することはできません。学校なら学校のツクリカタ、市役所なら市役所のツクリカタを参考につくられてきました。でも時代は動いており、求められる機能はもちろん、人々のニーズも変わってきています。

そのニーズを一緒に探しながら、掘り起こしながら、建築はつくられていくのではないか、と最近特に感じるのです。

・・・

先日「ケンチクのつくり方」というタイトルでお話をする機会をいただきました。

もちろん建築は、専門的な知識と品質のよい材料と高い技術力のある職人たちによって作られます。でもそれらと同じくらい、設計という仕事は重要な役割を果たすと(果たすべき)思っています。

様々な事柄に埋もれそうになっているニーズをきちんと掘り起こし、その場所を読み解き、そこにしかない空間を描く。。。

それが設計だからです。

単なる独りよがりのデザインではなく、そこに関わる人々のニーズをしっかりと汲み取って設計することが今後さらに求められるでしょう。これからますます増える難解な知恵の輪のようなオファーでも、一緒に悩み探しながら答えを探して設計していきたいと思います。そうしてつくられたケンチクが長く愛され、人々と一緒に生きていく、と信じて。

ーーーケンチクは「つくる」のではなく「つくられる」ーーー

つくづく思う2017の秋です。

2017-10-23 | Blog

桂木の家、秋の住み開き

桂木の家ができてから10年になろうとしています。

気がついたら建築の仕事に就いてから20年を過ぎていました。

そして今回、これまでを振り返ってお話しする機会をいただきました。

20年はあっという間でしたが、多くのプロジェクトに参加し、多くの方々と繋がってきたことをあらためて実感することができました。

建築はつくって終わりではありません。完成した時が新たなスタートです。完成後の月日が充実したものになるために、計画と設計が大切だと思って続けてきました。そしてこれからも続けていくでしょう。

出会いから何年かを経て、その方の想いをカタチにする。。。

気の遠くなるような仕事ですが、それがケンチクの魅力のひとつだと思うのです。

2017-10-07 | Blog

着工へ

紅葉の便りが届く季節。

またひとつ青森で着工を迎えました。

想定の位置に仮設の壁を立て、クライアントにもご確認いただきGoサイン!

気の引き締まる瞬間です。

2017-08-09 | Blog

建物の寿命

ときに建物の寿命は、わたしたち人間のそれをはるかに超えて長くなることがあります。

先日、弘前の市役所と弘前市民会館などの改修工事を見学する機会に恵まれました。

前川國男氏が設計した多くの建物が、彼の死後も多くの人々によって支えられて、現在も生き続けていました。

それは、設計者や施工者はもちろん、使い続けている市民ひとりひとりによるものでした。

市民会館大ホールの復元された緞帳の裏には、そうして守り続けるひとりひとりの名前がありました。
設計した建物が完成して使われ始めるとき、赤子が生まれて産声をあげる瞬間のような感覚に包まれます。

末長く可愛がってもらえますように、と願わずにはいられません。

人々に愛されることで、建物は長生きできるのです。

言い換えれば、人々に愛される空間が大切にされるのだと思います。

 
そんな建物を設計していきたい。。。

 
改めて思った暑い暑い夏の日でした。

2017-05-22 | Blog

「プラス えん」の開所式に参加して

空間デザインのお手伝いをしてきた「プラス えん」の開所式に参加してきました。
「面白い人たちが集まれる小さなスペースをつくりたい」という想いを、さまざまな人たちと一緒に考え、カタチにしてきました。

それぞれの活動や考えを相互に受け入れ、それぞれができるカタチで参加していく。

この小さなスペースに、本当に様々な人が関わって、まるで「まちの縮図」みたいな時間の積み重ねでした。

開所前から話合いを重ね、工事に入ってからは、みんなでペンキ塗りやしっくいで壁を塗り、家具を選んだり、お掃除したり。。。
こうして、できあがるまでの時間を共にした多くの人々が、開所式に集まりました。

この場所に名付けられた「えん」には、様々な意味があり、「縁、円、宴、園、淵、苑、笑ん、、、」

どれを当てはめてもよくって、どれが正解というわけでもない。。。
ここではみんな平等で、いろんな人といろんなカタチでつながっていくという想いがこめられています。
何も決まっていないけど、みんなにとって居心地のいい場所でありたい、と。

ここはまさに「サードプレイス」です。

「場所」や「空間」をつくっただけでは「サードプレイス」にはならない、その場所に集う人たちがいなければ。

それは決まったカタチはなく、そのまちに生きる人々の想いによって色々だと。

「サードプレイス」という本のタイトルは、実は「THE GREAT GOOD PLACE」(=めっちゃ居心地のいい場所)

とってもシンプルな意味です。
だけど、今わたしたちのまわりには少ない(少なくなった!?)と感じてはいませんか?
人生は「職場」と「家」だけではない、だからみんな「プラス えん」のような場所を欲している。

〜 みんなの中にあった種に、みんなで水をあげて、育てて花開いた 〜

そんな場所です。

これからも、まちにいろんな花が咲いていくといいな、と思った「宴」でした。

2017-05-14 | Blog

住み開き

昨日、久々に住み開きをしました。

「住み開き」とは、アサダワタルさん(日常編集家)の造語。

マンションの一室を、ホームパーティーの延長みたいに開放したのがはじまりだったそうです。それが様々なカタチで広まり、「住み開き」ということばも浸透していきました。「コミュニティデザイン」や「サードプレイス」なども同じ時期に広まってきた、といえるかもしれません。

「住み開き」に厳密な定義はないそうで、
あれもこれもいろんな事例が入ってきて、それが同じ「住み開き」として語られることが面白さであり、あくまでも表現活動の一環であることを大事に考えているそうです。

それをいろんな人たちと共有することで、さらにそこからいろんなことが派生し、ネットワークができていく。

開かれた窓からカラフルな光線が放たれて、それがまた場所が次々と増えていく、そんなイメージでしょうか。

少し前の日本では、もっと普通に「住み開き」していたように思います。

例えば、「応接間」はその役割を担っていたのかもしれませんね。

「続き間」では、結婚式やお葬式も執り行ったりしてました。

そのときは、遠くの親戚はもちろん、手伝ってくれるご近所さんにも、完全に「開いて」いたのを思い出します。

頻繁ではないにしろ、そうした機会を時折経験していました。

でも今は、明らかに少なくなりました。

たから、様々なカタチで「住み開き」されたりしているのだろうか、と思ったりします。
昨日、住み開きした家は、当然いつもは家族の器として使っています。
でも時々、いろんな人に空間を味わってもらうために「開いて」います。

そして、もっともっといろんなことができそうだと、思うようになりました。

10年目を迎えたこの家の古びてきたところも、変わらずにあるところも、みんな引っくるめて。

また次回は違うカタチで「住み開き」をしてみようと思案中です。

時を経ても、使い続けられ、誰かの居場所にちゃんと育っていく、その種(たね)のような建築デザインをしていきたい、と思うのです。

2017-04-22 | Blog

「公」という字

前回に続き、また文字をひとつ。

今回は「公」という漢字。

「公」という漢字を調べてみると、
「公」は、「私」を意味する「厶」に、入り口を開けて包み隠さず明らかにすることを表す「八」を組み合わせたもの。

とありました。

と、その一方で、

その読みは「おおやけ」。「大家」「大宅』が原義といわれ、政治や行政にたずさわる組織・機関。国・政府・地方公共団体などを指す意味が一番最初にでてきます。

そして、「公共」となると、「公共工事」など「官が担うもの」という意味でとらえられがちです。

でも、もうひとつの意味が書いてありました。

「私」(ブライベート)な部分を開き、それらがコミュニティを生み、それが共有する物や場所や価値観(コモン)のこと。例えば、村に一つの井戸を村人総出で掘って共同利用する、など。

とありました。

きっと、きっと事の始まりはそうだったろうな、と思います。そして、いつのまにかその意味が薄れている、とも。

でも最近は、それが変わりつつあると実感することが最近多くあります。
「シェア」「サードプレイス」「フューチャーセンター」「住み開き」「新しい公共」、、、

言葉の定義は難しいけれど、どれもプライベートにとても近いところから生まれてるのではないでしょうか。

八戸高専の10代の学生たちは、今「住み開き」というテーマに取り組んでいます。

自分自身が同じ10代の頃には、「住まいをまちに対して開く」なんてことは思いもしなかったことです。

でも彼らは、イメージできています!
想定した敷地(まち)の状況を考え、まちにどう開き、まちとどのようにつながっていくか、意識できています‼︎
とても頼もしく、今後それがそんなカタチになっていくのが、私達もとてもわくわくしています。

そしてテーマを説明しているとき、ふと思いました。

これまでも私たちは「住み開き」を意識してデザインしてきたんだな、と。

例えば「桂木の家」は、歩行者専用道路までテラスを延ばしたデザインとなっています。

テラスは、周辺の子供たちの遊び場でもあるその道路と連続した場所であり、住み人とにとってはテラスの先まで共(コモン)が広がっているのです。


「まちとどのようにつながるか。まちにどう開くか(閉じるか)」
私(プライベート)をつくりつつ、どんな共(コモン)が生まれるか、は常にデザインの根幹です。
ひとそれぞれ、場所それぞれにあった空間デザインは、それぞれ違います。
きっとまちにも、それぞれのデザインが生まれていくのだと思います。
そしてそれは、複数の私(プライベート)から生まれるいろんな大きさの共(コモン)です。
今まさに生まれようとしている程よい大きさのサードプレイスを、最近お手伝いさせていただきました。

そちらが近々お披露目に。

私たちも楽しみです。

青森の桜も満開。心弾む春です!

2017-04-01 | Blog

「り」で始まる言葉

昔、しりとりをすると「り」でよく詰まった覚えがあります。
でも、ふと気がつくと今は「り」で始まる言葉を聞く機会が多くなりました。
リフォーム、リニューアル、リデュース、リユース、リサイクル、、、
そして最近よく聞くのは「リノベーション」

「住宅のリフォーム」は聞き慣れた言葉ですが、リフォームは実は和製英語。

住宅の修繕や改築などをイメージさせますが、その意味からすると正しいのは「リノベーション」。
今は建物の用途や機能を変更して、新たな価値を見出すことの意味で多く使われるようになりました。
家も「リノベーション」

町も「リノベーション」

都市も「リノベーション」
そして、社会も「リノベーション」
そんな時代を迎えています。
そのときに大切なのは「リシンク」(再考する)こと。

それまでのモノや想いを、たくさん広げて、ひとつひとつ取り上げてみる。

そうすると見えてくるものがあります。
それをリコンストラクション(再構築)する。

それはいたってシンプルだったりします。
例えば、最近リニューアルした「らんぶらーふらわーず」さんで私達がデザインしたのは
「たくさんの花たちと花人(はなんちゅ)の居場所を自然な動線でわけること。」
花たちの居場所は、ちょっと懐かしいモダン和風な部屋に。

花人のクリエイティブな場は、機能的かつそのカラーがあふれる空間は四隅の柱でフレーミングするだけのシンプルな構成に。
ひきずってきたモノは捨てて、大切なモノを見つめ直すことがリシンクかもしれません。

それは結構しんどいかもしれませんが、そうすることでリノベーションできるのだと思います。
私達の仕事は、ある意味そのお手伝いなのです。

2017-03-21 | Blog

旅立ちのとき

先日、オープンハウスも無事終了し、晴れて「奥州の家」はクライアントご家族へのお引き渡しとなりました。

数年前のオープンハウスでお会いしてから、イベントなどにも幾度となく足を運んでいただき、たくさんお話しを重ねてきたご家族でした。子どもたちも大きくなり、月日の流れに少し驚く程です。

いつものことながら、お引き渡しは嬉しい気持ちと名残惜しい気持ちがフクザツに混ざり合ってしまいます。

でも、歓声をあげ、汗をかきながら、まだ何もない家の中を走り回る子どもたちを見て、素直に嬉しく、一緒に家づくりができて本当に良かったと思いました。
さあ、新しい暮らしの門出です。

おめでとうございます!

そして、ありがとうございました‼︎

2017-03-13 | Blog

「奥州の家」チェック完了です!

お引き渡しまであと一週間をきりました。

その前の私たち設計者の検査を行い、設計図どおりの施工ができたか確認しました。

最後にカーテンなどの取付工事が入り、クライアントご家族をお迎えすることになります。

建物が、住まいとして呼吸を始める瞬間です。
その一瞬を、ぜひお見逃しなく!

オープンハウス3月18日(土)開催いたします!

詳しくはお電話またはメールにてお問い合わせください。
写真は玄関へと続くリビングの土間。

土間のあるリビングから庭へとつながる家です。

2017-03-10 | Blog

オープンハウスまであと僅か

「奥州の家」の完成検査が目前です。
模型はリビングの土間から見た眺め。

斜めの天井越しに二階の子どもたちのスペースまで伸びやかにつながる空間。

子どもたちとの時間を大切に考えているクライアントの気持ちがこの距離感に表れています。
内装仕上げも後は器具などの取り付けを残すばかりとなりました。

その完成した姿を見る瞬間とは、成人した我が子のスーツ姿か、または花嫁衣装を纏った娘の姿か。

いずれにしても晴々しい喜びにあふれた瞬間です!
オープンハウスまであと一週間。

心地よい緊張感の中、その日を迎えたいものです。
見学ご希望のかたは、お電話またはメールにてお問い合わせください。

2017-03-08 | Blog

オープンハウス開催します!

「奥州の家」がいよいよ完成を迎え、クライアントのご厚意によりオープンハウスを開催いたします!
台形の変形地に、ふたつの庭を切り取るように流れる屋根が、家族の生活を包んでいるようなデザインです。

メイン空間のリビングは、傾斜天井で緩やかに奥へ、二階へとつながっています。

中も外も子どもたちが走り回わる、そんな明るい声が似合う「奥州の家」です。
お引き渡し前の貴重な機会、お見逃しなく!

日時:3月18日(土)

場所:岩手県奥州市

詳しくは、電話またはメールにてお問い合わせください。

2017-03-06 | Blog

「橋本の家」奨励賞、受賞しました!

先日、現地での2次審査が行われた「第10回記念JIA東北住宅大賞2016」にて、「橋本の家」が奨励賞を受賞いたしました!

クライアント始め、ご協力いただいた皆様に改めて感謝申し上げます。

厳しい冬の青森の暮らしと街中の喧騒に対して、ただ閉鎖的するのではなく、どのようにつながっていくか、周辺の街並みも含めデザインしたものです。

これからも、これを励みにさらに精進していきたいと思います。

ありがとうございました!

2017-03-04 | Blog

東北住宅大賞2次審査

今日は「橋本の家」の現地審査が行われました。

例年よりはるかに雪が少ないとはいえ、雪が舞う中での審査となりました。

その後は、秋田の大館、岩手の北上と点在する作品をまわるスケジュール!

その走行距離500km超!

でも、そのミニツアーに同行ができたのは、とても貴重な体験となりました。

また明日からガンバリます!

2017-03-02 | Blog

花達の部屋

リニューアルオープンからはや半月ー。

一気に春めいてきた青森ですが、こちらも花であふれてきました。

たくさんの花が入って、たくさんの花束やアレンジを作り、お渡しする。。。

一連の動きがスムーズに行くのか、図面にデザインしたものと、実際に出来上がった空間との微妙なズレを調整していきます。

花の配置を工夫するだけで、動きやすく、取りやすくなります。

らんぶらーふらわーずさんの花達は、ショーケースに入っているのではなく、部屋に集まっているのです。

お客様もそのちょっと和風でアンティークな部屋に入ることができます。

ぜひ一度のぞいて見てください!

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