いつになく多い雪にただひたすら耐えていた寒い季節から、あっという間に街中の雪はあらかた消えてしまった青森です。
日も長くなり、日差しも強くなりました。
気がつけばもう三月も後半、新年度のスタートでザワザワしている今日この頃です。
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季節は間違いなく移っているのに、いまだにコロナは居座っています。
オミクロンの感染力はケタ違いだったのか、県内の日々の感染者数はここにきて更新し続けています。
そして世界では今戦争が。
戦争を知らずに生きてきた私たちが、第三次を目の当たりにすることになる(なった)のでしょうか?
そしてここにきてまた大きな地震も。
私たちは地球から次々と試練を与えられているのかも、と思わずにはいられません。。。
そして、乗り越えられない試練は与えられない、と信じたい。。。
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いつもなら春の気配に浮き立つ時節ですが、様々あってそうもいかない今年の春。
こんな時こそ、やるべきことを、ブレずにいきたい思っています。
コロナ禍でいろんな物が値上がりしていますが、今年は工事もいよいよ動き出します。
丁寧に進めてきた設計を、カタチにする大切なステップへと進みます!
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そして新たなプロジェクトもスタートするこの季節。
様々な「居場所」をデザインします。
こども達の居場所、本を愉しむ居場所、安らぎの居場所、心の拠り所となる居場所etc.etc.
必要な機能を果たすだけではなく、「単なる空間」を「居場所」へとデザインする。
そのためにたくさんの会話を重ね、たくさんの情報を整理していく。。。
それが設計のシゴトだと改めて思います。
どれも大切なことだけれど、その人にとって(その居場所にとって)本当に大切なことは何なのか。
それを掘り起こしていくことによってできたデザインは、その人だけでなく、その場所を訪れた他の人にも伝わるデザインになると思うのです。
その過程を丁寧に、また白い紙に向かいたいと思います。
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きっとみんなに春が来る、きっともうそこまでやってきています。きっと!
如月最後の日曜日は雨模様となった青森です。
大きな雪の塊に囲まれてはいますが、足元の雪が緩んで歩きにくくなりました。
気温もグッと高くなって、勘違いした梔子が咲き出し甘い香りが春の到来が近いことを感じさせてくれます。
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先日は、竣工以来なかなかゆっくりお邪魔することができなかった「鎌谷町の家」へ。
感染対策をしっかりしながら束の間の再会。
今年の雪は流石に厳しかった、とのこと。
それでもみなさんのお元気な顔を拝見してホッと一安心。
子供たちの成長ぶりは目を見張る程。
身長はもちろん、babyはすっかりboyに。
みんなで元気いっぱいにウチソト関係なく遊びまくっている、とのこと。
しばらくぶりの再会なのに思いっきりの大興奮。
ギャラリーの家がコンセプトだった「鎌谷町の家」にはコレクションが増えていて、
横長のFIXには、ちゃんと自分の作品が飾ってありました。
何とも嬉しい限り。。。
きっともっともっと増えていくのでしょう。
ずっとずっと楽しんでいてほしい。
そんな空間をつくるシゴトって本当に楽しい、とこんな瞬間に痛感するのです。。。
コロナ禍からコロナ共存へ、そして終息への長い道のり。。。
世界では戦争に突入してしまった地域も。。。
健康に平和な毎日が送れることに日々感謝して、また一歩一歩進みます。
鎌谷町の家 青森県五所川原市 2020年
新年のご挨拶をしたと思ったら、あっという間に如月です。
小休止はあったものの、例年以上の降雪に少々雪かき疲れ気味の青森です。
積雪量は1.5Mに迫っています。
この季節は予想できない雪に予定を崩されるのは珍しいことではないのですが、
今年はオミクロンの見えない波が押し寄せ、回復の兆しに安堵仕掛けていた状況を一変しました。
今年は豆をまくのに思わず力が入った方も多いのではないでしょうか。
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まだ青森でもその波にのまれる前に、私たちが非常勤講師を務めている八戸工業大学の課題提出と講評が終わりました。
秋から2つの課題をこなすこの授業では、毎回学生達の成長に驚きます。
平成に生まれ、物心ついた頃には東日本大震災を体験、もしくは知り、今はコロナ禍という学生時代。
そんな彼らがスポンジのように日々何かを吸収し、少しずつ変わっていく様子を見てきました。
設計デザインには専門知識はもちろんですが、その人の経験や体験に基づく思考回路が大きく効いてきます。
多くの情報が溢れている今、自分にとって必要なものを掴み取り、吸収し成長していく彼らの「建築」を楽しみにしていきたいと思います。
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そしてその状況は私たちにとっても同じこと。
検索すれば瞬時に多くの情報に触れ、画面越しに遠く離れた人との打ち合わせも可能な社会となりました。
でもだからこそ、リアルが生む何かを私たちは知っています。
コロナ禍で、直接会い、現場の風を感じることの大切さを痛感しました。
時間をかけてそこへ向かうことも、他愛のない話に盛り上がることも。
それがなかなかできない今だからこそ、今にしかできないことを。
初めて訪れた土地に気持ちを高鳴らせ、そして持ち通しい春への気持ちを重ねて、新たなプロジェクトが始動します!
年末の記録的な大雪もひと息ついて、少しだけホッとしていたのも束の間
今度はオミクロンが猛威をふるい始めている年明けとなりました。
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雪と一言でいっても様々で、歌詞にもあるように七つどころかまるで生き物のように表情を変えます。
さっきまで羽が舞い降りるようにフワフワと降っていたかと思えば、あっという間に前が見えなくなるほどの量で降り出して全てを真っ白にしてしまいます。
最近は風と一緒に地吹雪となって、一瞬にして方向感覚を失う恐怖を伴う降りかたも。
かと思えば、突然止んで青空が広がり太陽が顔を出し、真っ白な雪に反射して目が開けていられない瞬間も。
雪片付けに追われるのは当然のことで、車が家から出られるようにしておくのはもちろん、大雪の日には玄関すら埋もれていることもあり、常に雪かきには神経を使い、かつ体力が問われます。
そして屋根からの雪にも十分注意が必要です。
風によって屋根から跳ね出した庇のように雪の塊がつくことがあります。これを「雪庇(せっぴ)と言います。
これが暖気になると一度に落下することがあり、その荷重は楽に自動車を潰してしまう程の重みになります。
その下を歩くことは危険そのものなのです。
また、青森では1mを超える積雪は珍しくないのですが、あまり積もりすぎると家への荷重がかかるので、その時は屋根に登って雪を下ろす必要があります。
これも大変危険です。上で作業する人も、下にいる人も十分注意しなければなりません。
設計する際に冬の状況を想定した計画をするのはとても大切なことです。
雪国って大変ですよね。
それでもこうして暮らしている人がいるって、それ以上に凄いことですよね。
なぜでしょう?
時には牙をむく雪も、あたり一面を真っ白な美しい世界へ変えてしまったり、静かにゆっくり舞い降りる姿に時間を忘れてしまったり、と私たちに与えてくれるものも多いからなのかもしれません。
そしてそれは人間の力ではコントロールすることはできない。
人間はひたすら雪のような自然に学び、知恵で対応していく。
尊敬と畏怖の念を持って。
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厳しい環境だからこそ、空間を形造るには技術と知識と知恵を活かした設計が大切なのだと思います。
それは青森に限ったことではなく、どの地域どの場所においても同様です。
それぞれの環境を読み解き、冬はもちろん四季を考え、未来を想像しながら今年もデザインしていきたいと思います。
雪で疲労困憊していても、その疲れを癒す空間があることでその美しさも時折感じながらまた一冬越していきます。
外の凍てつく寒さと薪が赤々と燃える炎を同時に眺めることができるこの時期に、
必ずやってくる春と新年のワクワク感に思いを馳せて。
本年もよろしくお願いいたします!
桂木の家 青森市 2007年
いつもより少し遅い一面の銀世界がやってきた青森です。
でもその雪もあっという間に消えて、師走の慌ただしさに追われています。
今年も残すところ20日となりました。
新年を迎えるにあたり、次へとバトンを渡すための大切な時間です。
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コロナ渦も様々状況を変えて、今度はオミクロンなるものが世界に広がっています。
この2年間に今までにない状況を経験し、これからももうしばらくは続くのでしょう。
でも、人々は動き始めています。
人間はそう弱くはない、そう思えたこの一年となりました。
過去から現代へ、そして未来へ。
バトンは常に受け継がれてきたもの、それをつなぐことがどれほど大切なことか。
それを考えさせられた一年でした。
それでも人間は進み続けることができると、進みつづけるしかないと思うのです。
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次へと渡すバトンは色々人それぞれで、私たちが渡すバトンも色々あって。
「曲屋 KANEKO」は、日本最古の厩舎はもちろん、その地域の歴史や文化をつなぐバトンとなるようデザインしました。
そして今度は、何十年と学生を育んできたキャンパスを未来へつなぐデザインを考えています。
これまで刻まれてきたものを大切にしながら、未来へつながるデザインとは。
10年先、100年先を見据えたマップを描きながら、ひとつひとつデザインしています。
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それまで当たり前だった風景が少し変わって見えるような、そんな実験を先日おこないました。
車での移動が当たり前の現在、歩行者は車に気をつけながら歩くのが当然のようになっています。
キャンパスでも同様に、その利便性を高めるため学生用の駐車場を整備し、様々なサービス車両のための動線計画がされてきました。
でも本来、キャンパスを長時間利用する学生にとって車との時間は一瞬なハズ。
車を使うことによりできた時間を有効に使うキャンパスが、車優先でいいのだろうか?
そんな思いをチームで話し合い、温めてきました。
そして今回、学生が行き交うキャンパスをより魅力的に未来へつなげるための小さな実験からスタートしました。
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今回の対象地は、普段は双方向でサービス車両が行き交い、一時的に駐車する車もいるキャンパス内の道です。
通過する際のスピードが速い車もいて歩行者は常に車に注意を払って通行しています。
そんな、いつの間にか車優先になっていたキャンパス内の道に、仮説で居場所を作りました。
車にとっては障害物のようなものを置くことで、速度減速と駐車を少なくできるのではと考えたからです。
また障害物を「居場所」としてデザインすることによって、「車優先の道路」から「学生の屋外空間」へと変化できるのではないかと。
初回ともあって短い時間でのチャレンジでしたが、実際に車の動きも確認でき、居場所としてのしつらいの課題も見えてきました。
何気なく通りかかった学生や教職員の方々も興味を持っていただけたようで、ご意見を取り入れながら次へとつなぐバトンができました。
今後も試行錯誤しながら進めていきたいと思います。
これからやってくる白い季節に、色々思い浮かべて新しい年に花を咲かせるために。
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撤収の日は雨と風に見舞われましたが、マスキングテープは思いの外剥がれずに頑張ってました。
帰りには虹も現れて。
次回に向けてワクワク感を抱きつつ、さあ、残りの冬支度も急がなくては!
いつもより遅い初雪の便りが届いた青森です。
それでも朝窓を開けたら銀世界、ではなく薄ら白くなったシャーベット状の雪があっという間に溶けていきました。
まだ大地の熱が残っている霜月後半です。
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そしてもう一つ、届いたのが「あさむしカベシンブン」
6月に続いて浅虫のカベシンブンに「石木邸」について寄せていただきました。
建物を「残す」といっても、ガラスケースに入れる宝石というよりは、やはり使われてこそ。
息を吹き返した建物が、これからどのように使われていくのか、それが建築ならではの楽しみなのです。
誇りを被り、時が止まってしまったような状態から、新しい風を入れ、綺麗にして、目を凝らしてみるといろんなことが見えてきます。
小さなキラキラを虫眼鏡で見るような、そんな感じですが
次へつないでいくために、そこに手を入れていく。。。
新築とは違う「変化」を味わうことができます。
建設当時の職人の技を堪能しながら、今我々ができることで次へ繋ぐ。
言われなくちゃ分からない、そんな建築あるあるをご紹介しました。
私たち自身も驚きと発見があり、
過去から現在、そして未来へと、時の流れが繋がっていくことを今更ながら感じた「古民家石木邸」でした。
そしてこの体験が「曲屋KANEKO」に繋がっていったのです。
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浅虫のカベシンブンには、魅力的な記事がたくさん掲載されています。
書いている方々が様々で、皆さんの浅虫愛を感じるカベシンブンなのです。
(詳しくはどうぞこちらをご覧ください!)
私たちも浅虫ファンのひとりとして、これからもその魅力をお伝えしていきたいと思います。
そうそう、明日はマルシェがあるってカベシンブンに書いてあったっけ。
しっかりダウンを着て、温泉街に遊びに行こう!
石木邸 2019年(青森市)
そろそろ来週は最初の銀世界がやってきそうな青森です。
先日、久しぶりのリアル東京へ。
マスクだらけの人ごみの中を、日本空間デザイン賞の授賞式へ出席。
その会場の熱気がまだ残っています。
全国精鋭の作品が集結したような状況に、夢でも見ているのかと思ってしまう程。
アナウンスされ、賞状と盾をいただいてやっと実感が湧きました。
オフィス部門の銀賞とあわせ、サスティナブル賞のダブル受賞となった「曲屋KANEKO」。
クライアントや施工者などのたくさんの関係者に加えて、100年前にこの合掌造の大きな厩を作り上げた七戸の大工と一緒に表彰された、そんな気持ちになりました。
先月のグッドデザイン賞に続き、これで「曲屋KANEKO」はトリプル受賞。
素直に嬉しく思い、次のチャレンジへと向かおうと気持ちを新たにしてます。
これまでつながってきたモノを、デザインでつないでいく。
「曲屋KANEKO」は、その難しさを痛感するとともに、その大切さを実感したプロジェクトでした。
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多くの対話からデザインを通して解を探す。
単なる見かけや目新しさだけではない、意味を持ったデザインでカタチにする。
それが私達の仕事です。
そう胸張って言えるように、これからもブレずに進みたいと思います。
昨日の新聞にはクライアントが全国で最優秀に輝いた記事。
余韻に浸っている暇は無い、さあ!と気合いをかけてもらいました。
ススメ!ススメ!!
10月に一度白い帽子をかぶった山々も、今は色鮮やかな模様にしばし戻って暖かな日が続いている青森です。
旧暦ではまだ10月に入ったばかり。
霜はまだ先であって欲しいと思う今日この頃です。
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先日の「曲屋KANEKO」のグッドデザイン賞受賞のご報告後、多くの方々に御祝いのお言葉を頂戴しました。
築百年の曲屋に私達が建築デザインでできたことはほんの少しですが、多くの方々の目にとまり足を運んで下さる方が増えたことは素直に嬉しく思います。
「曲屋KANEKO」は、完成とほぼ同時にコロナ禍に突入してしまったため、フルオープンはもちろん関係者の方々にご報告もできずにおりました。
完成からもうすぐ2年になってしまうかと思われたこのタイミングでの受賞で、完成披露も含めてやっとご報告することができました。
クライアントを始め、構想の段階から関わって下さった多くの方々。
そして冬にかけての工事にも関わらず最後まで丁寧な仕事をしてくださった施工関係の方々。
その方達に感謝の気持ちを伝えながら、改めて「曲屋KANEKO」の完成までの経緯と受賞にあたって評価された点をご説明しました。
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取材の方々にも多く駆けつけてくださり、新聞やテレビのニュースでも取上げてもらいました。
その反響はやはり大きかったようで、牧場に足を運ぶ方が明らかに多くなったと聞きました。
これまで曲屋の存在を知らなかった方々へお知らせすることができたのは本当に良かったと思います。
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牧場内は秋色に染まり、もうすぐやってくる白い季節を予感させます。
牧場はやがて春までの眠りにつくでしょう。
でも馬達はそんな寒さも関係無く、冬も毎日真っ白な庭へ出ています。
少し前までは長い眠りについていた曲屋も、これからは馬達と一緒に呼吸していきます。
ぜひ一度足をお運びいただき、リアルに見て触れていただけたら幸いです。
現在は予約にてのご案内となっているとのこと。詳しくは↓↓↓へお問い合わせください。
https://www.kaneko-farm.jp/locations/kaneko
曲屋KANEKO 2020年 青森県上北郡七戸町
八甲田山の頂が白くなった青森です。
数日前とは10度もの落差で、いっきに冬の到来を感じずにはいられません。
思わずストーブとコートを出した人が多かったことでしょう。
ーーー
冬の足音が聞こえてきそうな今日この頃ですが、
このたび、「曲屋KANEKO」が2021年度グッドデザイン賞を受賞いたしました!
(詳しくはコチラをご覧ください)
公開コメントでは、
「日本最古といわれる築百年超の「南部曲屋風育成厩舎」の外観を最大限保全しつつ,現代的なリノベーションで人を迎え入れる空間に転換している.小屋裏の合掌造りを見せながらモダンでミニマルな空間を入れ込むことで,厩舎空間の大きさや力強さを引き立たせており,「南部の馬文化」を育んできた地域文化の豊かさを認識させる場となっている.」
と評価いただきました。
前回は「石江の家」(青森市)が専用住宅部門でグッドデザイン賞をいただきましたが、今回は新たな公共の場ともいえる「13-01 オフィス・産業施設の建築・環境」部門での受賞で、5800もの応募の中から青森県内では唯一の受賞となりました!
ーーー
思えば、プロジェクトがスタートしたのは2018年の秋。
あれから3年経ちましたが、とても遠い昔に感じられます。
それは、その間に全世界がコロナという渦の中に巻込まれたからかもしれません。
「登録有形文化財をどのように未来へつなげていくか」という大きなテーマに対し、手探りで多くの方々と話し合い考えていきました。
曲屋単体ではなく、牧場全体、ひいては周辺地域との繋がりをどんなカタチでプロジェクトに反映していったらいいのか。
ハードからソフトまで、多くの方々と想いを共有していく過程がとても重要だったのだと、今改めて思います。
クライアントのみなさまはもちろん、施工関係者、そして様々なカタチでご参加いただいた多くの方々のご協力無しにはこのプロジェクトは完成しませんでした。
この場をお借りしてあらためて感謝申し上げます。
そして、この賞はそのおひとりおひとりに向けられたものだと思っています。
みなさま、グッドデザイン賞受賞おめでとうございます!
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完成から早1年半。
なかなかフルオープンとはいかない状況が続いても、焦ること無くゆっくりながらも確実に動き始めた「曲屋KANEKO」
100年前に建てられた「日本最古の木造厩舎」という価値に加えて、馬と人が共存する空間としてこれからも動き続けていくでしょう。
わたしたちもゆっくりお付合いしていければ幸いです。
気がつけば花月がたくさんの蕾をつけていました。
コロナ前の「当たり前の毎日」はどんなに「有難い日々」だったかを改めて感じながら、いつかはきっと花を咲かせるようなプロジェクトをご一緒できたことに感謝しつつ、これからも一歩ずつ進んでいきたいと思います。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします!
曲屋KANEKO 青森県上北郡七戸町 2020年
桂や桜の葉も色付いて、秋桜がゆらゆら咲いています。
その一方で、とある庭先には朝顔がまだ夏の名残のようにきれいに咲いていたり、
今日は東京より気温が高いという、南北反転してしまったかのような天気の青森です。
ーーー
先日の震度5を観測した地震。
東日本大震災以来だという関東の地震の二日前、青森県階上町でも同規模の地震がありました。
最近また全国での地震発生が多くなっているような気がしていますが、大学の講義のタイミングに合わせて久しぶりに「階上の家」を訪れました。
コロナ禍ということもあり、「階上の家」に限らず訪問を控えていたこの2年。
少しずつですが、感染対策に気をつけながら動いていこうと考えています。
その最初となった「階上の家」。
先日の地震での被害は無く、クライアントご家族も皆さんご健在。
嬉しい再会となりました。
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階上の家は、八戸久慈自動車道の階上ICからすぐの場所にあります。
建設時は八戸から終点だった自動車道は、今年3月久慈まで開通していました。
ゆくゆくは三陸海岸を宮城までつなぐ1本道になるとのこと。
コロナ禍も動き続け、震災から10年の間も動き続けてきて今がある、と改めて思いました。
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完成から、早3年。
あの柿の実も色付いていて「楽しく、元気に暮らしていますよ!」の言葉に、背中を押された一日でした。
階上の家 2018年(青森県三戸郡階上町)
秋桜の深い色合いが本格的な秋の到来を告げている青森です。
日中はまだ日差しも強く気温も高い日が続いていますが、朝晩は気温が大分下がってきました。
コロナも「終息」とはまだまだいきませんが「with」の時期に入ったのは間違いないでしょう。
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そして感染防止を心掛けながら、いよいよ様々なことが動き出しました。
非常勤講師の本年度課題もスタートし、久しぶりに移動時間というものを実感しています。
現在取り組んでいるいくつかのプロジェクトも熱を帯びています!
そちらのご紹介は改めてにすることにして、今日はとてもワクワクするようなお知らせを。
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昨日公開となった立教大学社会デザイン研究所主催のデザインマスタークラス付き設計競技に福士譲がゲスト講師として参加いたします。
「ポストコロナの社会と暮らしに応えるデザイン」をテーマに、途中段階での指導を受けながら課題に取り組み、発表し講評を受けることができるという類を見ないスタイルの設計競技です。
コロナ渦にありなかなか思うように動けなかった鬱憤を晴らす滅多にない機会です!
学生・院生の皆さんは是非、参加されてはいかがでしょうか?
講師という立場ながら、未来の空間を一緒に想像できる機会にとてもワクワクしています。
詳しくはコチラをご覧ください↓↓↓
https://ibasyo-kouza.jp/
久々の仙台と奈良でお会いできるのを楽しみにしています!
オリンピック、パラリンピックと怒濤の8月が過ぎ、
気がつけば桂の木が秋色になっていた青森です。
日中の日差しはまだまだ強いですが、朝晩はもう一枚はおらずにはいられない気温になりました。
相変わらずコロナの収束には遠い毎日ですが、それでも令和3年度は後半戦。
毎日健康でいられることへの感謝を忘れずに、ひとつひとつ大切に取組む毎日です。
ーーー
先日、夏休みを利用して学生がインターンシップにやってきました。
感染対策を皆で徹底し、アクリル越しの短めの体験となりましたが久々の明るい時間になりました。
さっそく住宅の模型の立ち上げを手伝ってもらいました。
敷地の模型や、スタディのためのボリューム模型。
家づくりをスタートさせたこのタイミングは、さまざま試行錯誤する大切な時間です。
敷地の周辺状況と春夏秋冬、そして完成後のクライアントご家族のこと、
いろいろ想像しながらさまざまなプランをつくっていきます。
一瞬でしたが、その過程を体験してもらえたのではないかと思います。
前代未聞の行動制限がかかる「学生時代」を生きている彼ら。
将来に向けていろいろ考え、動く時間がとても限られています。
でもそれだからこそ、自分のアンテナを研ぎすませて生きてる。
私達も、自分のアンテナを日々磨きつつ、前に進んでいきたいと改めて思いました。
そしていつか、会える日を楽しみに。
その時はきっとマスク無しで!
ーーー
茹だるような暑さが退いて、多くのプロジェクトが加速し始めた今日この頃。
冬までの後半、ひとつひとつ丁寧に進めていきたいと思う夕焼けです。
あっという間に梅雨は過ぎ、連日30度を超える夏日が続いている青森です。
今年もねぶた祭へと向かう跳ね人の鈴の音が聞こえない夏になりました。
それでもアスリートにとっての頂、オリンピックの幕は今日上がります。
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青森もいつも以上に暑い海開きシーズンとなりました。
青森市の東に位置する浅虫(あさむし)も多くの人でにぎわうビーチのひとつです。
多くの関係者が感染対策の知恵を絞って今年の夏にチャレンジしています。
棟方志功の絵でも印象深い「海も 山も 温泉も」の青森。
この浅虫で発行されている「あさむしカベシンブン」に、以前改修のお手伝いをさせていただいた「古民家石木邸」について書かせていただきました。
石木邸の建築的魅力をひとりでも多くの方にお伝えできたら幸いです。
あさむしカベシンブンWEBのページでもご覧いただけます。(こちらをクリック)
コロナ渦であることもあり、フルオープンとはいきませんが「古民家石木邸」が浅虫の新たな居場所となるようにお付合いしていきたいと思います。
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いつもと違う状況の中で、わたしたちのチャレンジも続いています。
多くの時間を得たことで、今までとは違う新たな見え方や考え方が生まれています。
建築はカタチになるまで、そしてカタチになってからも長く社会と関わっていきます。
「過去」に学び
「今」を知り
「未来」を描く
わたしたちにできることを精一杯。。。
まずは、今日は我が家から。頑張れ日本!!!
石木邸 2019年(青森市)
ゴールデンウィークの突入からあっという間の2ヶ月が過ぎました。
いろいろな意味でシコウアンドサクゴしていたものが、春に一挙に動き出す青森そのもののような2ヶ月でした。
未だにコロナの終わりが見えないまま、今年も夏を迎えようとしています。
ーーー
先日、操車場跡地に建設予定のアリーナの利活用を考えるワークショップが開催されたそうです。
設計に携わる隈さんと小学生から大学生までの16人が意見を交わした、というニュース。
ワークショップで体育施設に+αするアイデアが多く発表された、とのこと。
建設予定の青森操車場跡地そのものの利活用については、長年いろいろな議論が積み重ねられてきました。
私達もその都度、いろいろな形で参加し、考え、表現してきました。
今回の意見がどのように盛込まれ、そして完成後の未来がこども達にとってワクワクしたものになるのか、増々楽しみになりました。
ーーー
今回のワークショップが開催されたのは市役所のサードプレイス。
新庁舎が供用開始してから早1年と半年。
いろんなことが発芽することが期待されていたサードプレイス。
その直後にコロナ禍へ突入。
いろいろ断念して、いろいろ考えてきたこの期間を経て、こども達の未来へとこの場所から再始動です。
このような時だからこそ、みんなが集える場所、また集まりたいと思える場所を、つくっていくことが必要なんだと改めて思います。
コロナ以前とは変わってしまったこともあります。
でも変わらないもの、なくしてはいけないものもあります。
また新しい明日へ。
去年とは違う夏へ、きっと進んでいると信じて。
青森市役所新市庁舎 2017年(青森市)(2020年1月供用開始)
ゴールデンウィークが目の前です。
いつもなら、北国の遅い桜と八甲田の雪の回廊、一斉に芽吹く若葉とBBQetc.etc.とワクワク感が止まらない季節ですが、昨年に引続きちょっと二の足を踏む青森です。
ーーー
先日、19年前に建てられたクライアントのお宅へ。
気がつけば20年近いという月日に、さぞかし古びたところも多いのではと思って伺いました。
でも予想を裏切って「いい感じ」の経年変化。
家族構成も、生活スタイルも変化したはずのクライアントご家族は、とても自然体で暮らしていらっしゃいました。
リビング吹抜は今や新たな家族の遊び場に。
家族の気配を感じるリビングは、当時の雰囲気そのままに。
ーーー
そういえば、設計時のイメージをご紹介し始めたのはこの時から。
これから立上がる新たな空間のイメージを共有する。
精巧なCGではありませんが、正確に描くこと以上に、空間の雰囲気を表現すること。
描いて、描いて、消しては描いて。
その繰り返しから見えてくる線は、ブレないもの。
いろんなものが入った線はやはり強いのかも。
私達の手元から巣立って、人間ならもう少しで二十歳。
「大きくなったね〜」なんて気もしたり。
わたしたちは今も相変わらず描いてます。
これからも、きっと。
アオモリノスマイ S邸 2002年(青森市)
一挙に桜も満開となり、春が駆け足で通り抜けてしまいそうな青森です。
この度、八戸港新フェリーターミナルの建設にあたり、建設アドバイザーとして福士美奈子が就任しました。
昨年度、プロポーザルの審査員として関わらせていただき、今年度いよいよ設計、そして工事へと進んでいきます。
ターミナルとしてだけではなく、新たな市民の居場所となることを目指す新フェリー埠頭ターミナルです!
ーーー
国交省でも「東北港湾ビジョン」の3つの目標のひとつに「港湾空間の有効活用による賑わい創出や豊かな環境の形成」をうたっています。
より機能的に、長期スパンを見据えた的確な仕様、近年の異常気象や大震災の教訓を活かした防災機能等、建物には多くのことが求めらます。かつ、これからの公共の施設として求められる新しい機能が「居場所」としての役割だと考えています。
私達が関わってきた庁舎や商工会議所、大学の展示スペースでも、ここ数年で「居場所」をつくることが求められるようになりました。
それは大規模の公共施設に限らず、「プラスえん」(2017年 青森市)のように小規模なものでもそのニーズが高いことを実感しています。
単なる必要機能を満たすだけではなく、いろんなカタチのコミュニティがいろんな場所で求められているのだと思います。
スクラップアンドビルド(つくっては壊し、壊してはつくる)では立ち行かなくなったこれからの時代だからこそ、大切なことを共有しながらカタチにいていくことのお手伝いができれば思います。
よろしくお願いいたします!
ーーー
いろんな人が集まってカタチになった「プラスえん」のロゴデザイン。
いろんな課題を整理して、いろんな皆の想いをカタチにする。
こんな設計デザインをこれからも続けていきます。
プラスえん(2017年 青森市)
道端のクロッカスも咲き出して、いっせいに芽吹き始めた青森です。
いつもと違うのは、目に見えないものに私たちの行動が制限されているこの状況。
それも全世界で。。。地球上で。。。
昨年度も先の見えない状況で1年を過ごしてきました。
みんなが気をつけて、遠く離れた人を想いながら。。。
いろんなことに気をつけながら、この春にまたひとつ私たちの手を離れて巣立っていきます。
ーーー
近年全国的に古民家の良さを見直される動きが多くメディアにも取上げられることが多くなりました。某局の「ふるカフェ系 ハルさんの休日」にも古民家が多く登場します。某局の「ポツンと一軒家」もある意味その流れとも言えるかもしれません。
ドライブしながらでも、古民家に目が引かれるようになりました。
まだまだ日本にはたくさんの古きよき物が存在していることを実感せずにはいられません。
そして昨年度も、古民家の再生のお手伝いをする機会に恵まれました。
古民家の興味深いところは、それぞれに刻まれてきた歴史があること。
住宅の設計をするときには、クライアントを知ることからスタートしますが、古民家の場合はまさにその建物の歴史を知ることから始まります。
建ってどのくらいなのか、どのように使われてきた建物なのか、そしてこれからどのように使われようとしているのか。。。
それらを知って初めて、どんなデザインが必要なのか、見えてくるものだからです。
ずうっと眠っていた古民家ならば尚更、単なる再生では時代錯誤のまま、飾り物になってしまいます。
博物館に展示するように、そのまま保存するケースも確かにあります。
でも、現代の社会で本来の「建物としての役割」を担ってもらうのであれば、リデザインしなければ息を吹き返すことができません。
この場所(地域)にはどんな居場所が必要なんだろう?
その答えを探すために、その地域に何度も足を運びます。
その地域の独特の空気感や時間の流れ、そこに暮らす人たち。。。
それを感じ取ってデザインしていきます。
それまで当たり前だったものが、新たなデザインにより浮き上がってきたり。。。
今まで見えていなかったものが、はっきりと見えるようになって驚いたり。。。
一度も入ったことのなかったのに、これからはちょこっと寄っていきたくなる。。。
古民家再生のデザインは、暗がりの中にごちゃまぜで詰め込んであったものを、きれいに整理して並べ替えるような作業をして、こんなにすごいものがあったんだって改めて気がつくような器に仕上げるようなことかもしれません。
いいえ、それは古民家に限らず、このようなプロジェクトとニーズは至る所で多くなっているのを痛感します。
これまでの宝物たちが少しくすんでしまっている状態から、どこをどんな風に磨いたら再び輝きだすのか、それを考えるのはとてもワクワクします。
そのためには一緒に磨く人が必要で、そのためには時間も必要で、決して楽な作業ではないかもしれない。
でもそんな奇跡のようなタイミングも、じっと見続けていれば気がつけるのかもしれない。
そう思いながら新しい春を迎えます。
公開まで、もう少しお待ち下さい!
東日本大震災から10年が過ぎました。
この10年は私たちにとってあっという間でした。
でも、いまだに避難生活を続けている人たちも多くいる、という現実。
その人たちにとっては長いトンネルを手探りで進んでいるような10年だったでしょう。
そしてまだそれは終わっていない。
「復興」がどこまですすんだのか?
何を持って「完了」というのか?
今日という日は、改めて目をそらさずに考えるべき日なのかもしれません。
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今回「建築ジャーナル」に今の私たちの想いをお話しさせていただきました。
震災のによる直接の被害はなかった私たちでしたが、建築家として人間としてできることを考え、微力ながらひとつひとつ行動に移してきました。
この10年でできたこと。できなかったこと。
これからの10年でやりたいこと。
ずっと続けていきたいこと。続けていくべきこと。
震災から10年を経て、また予期せぬコロナ禍の今。
何が起こるかは誰にも分からないからこそ、今やるべきことをぶれずに進もうと。。。
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奇しくも10年前と同じ道を通って、今日も現場へ向います。
またひとつ、居場所ができあがります。
100年前の大工さんが刻んだ跡がはっきりと残る柱を、未来へつなぎます。
生まれ変わった空間を見て「完成して終わりじゃなく、大切なのはこれからどんな風につかっていくかが大切ですね」そう話してくれた方がいました。
そのとおりです。大切なことはこれから。
10年でできたことはそんなに多くはないけれど、次に進むために私たちができることを。10年前よりは少しでも前に進んでいることを信じて。
そして10年後には、またもう少し前に進んでいますように。
今年もマンサクの花が咲きました。
春はもうそこまで。。。
日が長くなり、陽射しも強くなっているのを実感できるようになりました。
とは言え、まだまだ歩道や道路脇の雪は消えそうにない青森です。
それでも、令和2年度が終わろうとしています。
コロナや積雪などの苦難をなんとかやり過ごして新しい年度へと向おうとしています。
極寒の中、進んできた古民家の再生も佳境に入りました。
静かに眠っていた空間が、令和仕様で再起動します。
大きな曲梁を巧みに組んだ小屋組に令和の技術が埋め込まれていきます。
高い技術の職人さんたちが総出で進行中です。
建具や家具も最終工程へ。
ここにしかない居場所を彩っていきます。
このまちの不思議な魅力を体感するスポットのひとつとして、
そしてもうひとつ、まちのひとの新たな居場所として。
まちの歴史を物語る江戸末期の見事な合掌造り元に、
「懐かしいけど、新しい居場所」がもうすぐでき上がります。
いろんなひとと出会い、知れば知る程に不思議な魅力のこのまち。
いろんなひとが立寄り、集う場所になりますように。
明日から三月、春も目の前までやってきています。
お披露目の日が待ち遠しい今日この頃です。
2021年がスタートしたと思ったら、あっという間に立春も過ぎ去ってしまいました。
ほとんど根雪が無かった昨年とは打って変わって、大雪、吹雪、低温続きの青森です。
「根雪(ねゆき)」とは、気象用語で「長期積雪」のこと。
雪融けの季節まで雪が地面を覆う状態を指します。
年末年始の一番ひどいときは、歩くのもやっとな街中でした。
これは青森県でも特殊な地域で、30万人規模の都市でこれほど積雪が多いところは世界でも珍しいのです。
時々青空が広がると、それはそれはとても美しいのですが。。。
また、八甲田山(奥羽山脈の北端?)を境に東西での差は歴然です。
青森では吹雪で細くなった雪道を慎重に移動していても、八戸に近づくにつれ晴天となり黒々としたアスファルトの道路を快適に走ることになるのです。
寒風吹く八戸の寒さはまた別格ですが。。。
そして現在、青空がまぶしい田子町の極寒の中、工事が続いています。
(でも間違いなく、青森より積雪は少ない。。。)
大きな古民家の軸組があらわになって、令和の時代に新たな呼吸を始めます。
町の人が集まり、そこに旅人が立寄って。。。
ずうっと昔から、十和田や鹿角へと向う人達が立寄ったであろうこの土地に新たな迎える場所をつくっています。
昔の暮らしを伝えるだけではなく、十和田湖へ進むに連れてタイムスリップする入口のような空間に仕上げます。
床下の見事な大引きが久しぶりに陽の光を浴びて、でもその寒さに驚いているような。
現場での打合せは冷凍庫の中。
仕舞には口が回らなくなります(笑)。
北国の冬が厳しいことは十分理解していたつもりでしたが、今年の冬は改めて自然と向き合うことにもなりました。
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そしてまだまだコロナが収まる気配はなく、別な意味で厳しい毎日を送っている方も多いのが現実です。
冬は数ヶ月ですが、コロナはもう既に1年以上、そして終わりの見えない状態が続いています。
でも、「降り止まない雪は無い」ようにこの状態はいつか春がやってきます。
寒さとコロナに負けないように進みます。
春はもうすぐ。
完成ももうすぐ。
コロナ収束も、きっと。
あけましておめでとうございます
1/4よりスタートいたしました!
いつもより巣ごもりしながらの年末年始もあっという間。
昨年の冬とは打って変わって、雪がちゃんと降っている青森です。
年明け早々週末はまた荒れ模様の予報。
緊急事態宣言も発令されて、引続き社会的にも荒れ模様の地球。
毎日毎日を大切に暮らすことを今年も考え続けます。
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「0(ゼロ)」からつくるのではなく、そこに根付いているものを読み取ってデザインを組込んでいく。
「プラスえん」のようなまちの小さなスペースから始まって、
起業を目指す人とまちを行き交う人の出会いの場のような「Aomori Startup Center」
学園の紹介スペースでもあり、学生たちの居場所でもある「+C」
そして馬と人が共存する「曲屋KANEKO」etc.etc.
それまで月日を重ねてきたモノとそこに関わるヒトがつくる空間をもう一度構築するような、そんな設計デザインに携わってくることができました。
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2021年は、また別の古民家を再生するプロジェクトと、キャンパスのグランドデザインプロジェクトが進行中です。
「その場所にしかない空気を感じてデザインする」それは設計を始めた頃から変わっていません。
コロナが続く2021年も変わらず、その場所の空気を丁寧に読み取り、丁寧にデザインしていきたいと思います。
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今年最初の1枚は、広大な敷地の読み解きのひとつです。
・・・「故きを温ねて新しきを知る」(ふるきをたずねてあたらしきをしる)・・・
「故き」とは現時点までを指し、そのうえに新しいデザインは生まれるのではないでしょうか。
昨年は「故き」をじっくりたずねて、そうして見えてきた「新しき」をプラスして描いた1枚です。
今年も引続き描き続けていきます。
今年はみなさんにお披露目できますように。。。
本年もよろしくお願いいたします。
2020年が暮れようとしています。
これまで経験したことの無い1年を世界中で共有して。
これまでとは違う毎日を有無をいわさず皆が過ごしてきた1年。
それでも人は前を向いて新しい年を迎えます。
今年も多くの方々に大変お世話になりました。
来たる年も、どうぞよろしくお願いいたします。
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先日の新聞に「曲屋KANEKO」が掲載されました。
本来は春にオープンを迎え、多くの人にご紹介できるはずでした。
まだまだ余談を許さない状況で、でもゆっくりゆっくりと前に進み始めました。
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今年はいろいろなことを考える時間をもらった、貴重な1年でした。
師走を走りきって気がつけば、万両が今年は実をつけていました。
昨年はならなかった赤い実が、今年はあちこちに。。。
この1年はこれからのための充電期間で、きっと新しい実を結ぶための避けては通れない道だったのだと、後で気がつく。。。
そう信じて、さあ、2021年を迎えましょう!
みなさま、どうぞよいお年をお迎えください。
こども達が様々な職業を体験し、働いてお給料をもらいそれを使う一連の社会体験ができるイベント。
昨年までは多くの場所でも開催されていましたが、今年はコロナ渦ということもあって機会は大分限られて、久しぶりの参加となりました。
いつ、どこで感染者が出てもおかしくない状況の中、何とか無事イベントが開催されたこと、これは関係者の方々のご尽力の賜物以外の何者でもありません。
前日までちゃんと開催ができるか、みんなが不安だったと思います。
私たちも「もしかしたら、、、」と思いながら当日を迎えました。
でも会場に到着すると、そこには既にたくさんのこども達。
感染対策をとりながらも、そこには変わらず元気な姿がありました。
急いで準備を進めていると、早々と席につくこども達。
持参した模型やパネルに「わぁすごーい!」「細か〜い!」の歓声があがりました。
そしてある子が「今日、楽しみにしてたんだよー!」と一言。
何ともうれしい言葉でイベントが始まりました。
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そして始まるとみんな黙々と真剣な表情。
悩みながらも自分の好きな彩色で描いていきます。
そして出来上がりは唯一無二の作品群。
今話題のモノも。。。
室内もそれぞれ個性的。。。
毎回毎回こども達の感性に刺激を受けている私たちですが、つくる楽しみを、デザインの面白さをこれからも伝えていきたいと思います。
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これまで当たり前だった毎日が、コロナという見えない壁によって私たちの生活を変えられてしまいました。
まだまだ世界中で終息の兆しには至っていませんが、来る新しい年はきっとワクチンも普及し状況は変わっていくでしょう。
でもそれは単に元に戻るのではなく、このコロナ時の経験が今後の私たちを変えて新たな時代へと向うことになりそうです。
この1年は私たちに「大切なこと」を考える時間をくれました。
人と人がつながる場所が、そしてその時の記憶が支えになるとしたら、記憶に残るような空間を、建築を私たちはつくっていきたいと思います。
こども達がそこで歓声をあげて、心に刻まれ育っていく、そういう建築をつくっていきたいと思います。
今後もこのような機会を続けていきたいと思っています。
ではまた、どこかでお会いしましょう!
秋晴れの牧場では穏やかな風景が広がっていました。
先日曲屋の仔馬スツールをお借りして、これまでデザインさせていただいた家具たちも一緒に撮影する機会に恵まれました。
素敵な家具はこの世にたくさんあり、それらからその空間に合うものを選ぶケースもあります。
それとは別に、その場所に唯一無二のオリジナルの家具をつくることも、これまで数多く関わらせていただきました。
今回の曲屋の仔馬スツールも同様に、「厩(うまや)」で生まれ育った仔馬をイメージしてデザインしています。
馬の長い首の形をした手掛けは肘を載せるのに絶妙なサイズにしてあります。
座面には刺繍でアクセントをつけました。青森県の南部地方に伝わる「南部菱刺し」はかつては着物を繕い、補強するための技術として農家のお母さん達が編み出し、いつしかその模様の美しさは文化になり現代に伝わっています。その模様の種類は数知れず。それぞれの地域特有の模様もあるようで、今回曲屋では、仔馬スツールの他に格子壁の意匠に七戸特有の模様と、厩や牧場にちなんだ「馬の眼(まなぐ)」などを刺しています。
この仔馬スツールは、100年の厩の歴史を紡いできた曲屋だからこそ生まれたデザインだと言えるでしょう。
厩のこと、南部菱刺しのことを詳しく調べ、実際に刺すところまで携わってくれた木滝さんに心から感謝いたします。
そして、仕事の合間を縫って美しい模様を仕上げてくれた牧場のスタッフにも、感謝の気持ちを伝えたいと思います。
こうして南部菱刺しは次の100年へと繋がっていきます。
そのひとつのカタチとして関われたことを本当に嬉しく思います。
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まだまだコロナ禍ではありますが、曲屋は次の100年へとゆっくりと動き出しています。
感染対策をおこないながら、生まれ変わった馬房を堪能できる準備が整ったようです!
仔馬スツールも曲屋でみなさんのご来場を待っています。
馬たちに会いに、ぜひ足をお運びください。
日々の気温はぐっと下がってきましたが穏やかで過ごしやすい季節を迎えている青森です。
田では稲刈りが終わり、りんご畑では収穫の真っ最中、農家の皆さんにとっては忙しい毎日を過ごしていらっしゃることでしょう。
いろんな意味で、みんなが初めての秋を迎えています。
私たちも例に漏れず、コロナの影響もあって押し気味の2020年です。
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さて、先日オープンハウスを開催させていただいたお宅にも、クライアントご家族が無事家移りを済ませました。
いくつか宿題をいただいて改めて新居へ訪問すると、楽しそうな御一家の時間が流れていました。
ブルーのダイニングカウンターは、クライアントご家族がみんなでペイントされたもの。
多くのコレクションとともに、ギャラリーのような空間を彩っていました。
初めてお会いしてから新たな家族も仲間入りして、毎回の打合せもいつもにぎやかな楽しい時間を共有してきました。
子どもたちのエネルギーがいつまでも溢れ続けているような、ずっと駆け回っていられるような回廊のような空間を。。。
そして刺激的なコレクションの数々。
大事に閉まっておきたくなるような作品を、これまでもリビングに惜しげもなく飾っていたクライアント。
これからも家族に近い場所にこれらを飾って、いつも五感に触れるギャラリーのような空間を。。。
語源ではつながりのある「回廊」と「ギャラリー」は、この家のテーマとなりました。
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プランニングの当初、思い切って「総二階建て」から「平屋」をご提案し
思い切ってその提案を受入れてくださったクライアントご家族。
つい先日、クライアントは生まれてからほとんど「平屋」暮らしだということを知りました。
一緒に決断した答えは、「正解」だったようです。
設計は毎回五里霧中を手探りで進むようなものですが、見えないからこそその先に待つ光が面白い。
さあ、また次の霧へ。。。
9月もあっという間に走り抜け、気がつけば気温もぐっと下がって秋一色の青森です。
相変わらずコロナは余談を許しませんが、過ごしやすい気温の毎日に心身穏やかな日々を迎えている方も多いのではないでしょうか?
先日、青森市新庁舎では防災イベントが開催され、多くの家族連れで青い森広場が賑わいました。
新庁舎が本格的に運用され始めたのが今年の始め。
旧庁舎の解体が進められてきました。
広々とした青い森の広場のお披露目のような今回のイベント。
ピロティの下にはステージが設置され、行き交う人、人、人。
コロナ渦でイベントが少なかった今年。
待ちに待った感も多かったでしょう。
日々の暮らしを支える庁舎は、新たな居場所となることで、災害時はもちろん私たちの心の拠り所となっていきます。
今年はねぶた祭で熱くなる夏は来年に持ち越しましたが、青い森の広場には初めての雪の季節がやってきます。
青い森の広場とサードプレイス。バスの待合いにもなる国道に面した風除室。
これからも多くの市民の憩いの場となりますように。
(青森市新庁舎 2019年 青森市)
台風はそれて、大きく崩れることなく無事にオープンハウスが終了しました。
コロナ対策にも快くご協力いただき、会場に足をお運びいただいた皆様ありがとうございました。
お引渡し前の真新しい空間はいかがでしたでしょうか?
お引越しはこれからですが、今回のクライアントの魂入れは大切なコレクションの数々。
白い壁にそれらが並んで、まさにギャラリー。
「小さな美術館のようだね」とのお言葉も。
いつもと違うオープンハウスになりました。
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クライアントご家族のにぎやかでエネルギッシュな空間を、のびやかな平屋に入れ込んで、その囲まれた庭も一緒に広がりのある住まいに仕上げました。
それと同じくらい重要だったのが、クライアントがお持ちのアートコレクション。
それらを巡ることができる回廊(ギャラリー)として「コの字」型のプランとしました。
今日はコレクションの一部と一緒に撮影です。
これからもコレクションは増えていくでしょう。
クライアントご家族の作品も増えていくでしょう。
たくさんのアートと子供達の笑顔が水盤に映る日が待ち遠しいです。
オープンハウスが来週の土日に迫り、今日は施主検査。
子供達の完成が真新しい空間に響きました。
施工途中は何回かご案内していましたが、クリーニングが終わりすっかり奇麗になると、やはり見違えます!
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もうすぐ新しい家での新しい生活がスタートします。
その前に少しだけお借りしてその空気感をご紹介するのがオープンハウスです。
南北に長い敷地でどのように光を入れ込むか。
スリット窓からは移ろう光。
コの字に囲んだ庭の水盤からはゆらめく光。
まだもう少し空きがあります。
気になる方は、ぜひ御予約を!
お申し込みはコチラ↓↓↓
オープンハウスのお知らせ
東北大学建築学科OBによる建築会議として、 東北大の内外を問わず交流・議論の場をつくっているCIAT。
コロナ渦の今年はオンラインでレクチャーでの開催です。
「私たちの未来とは?変革する業界動向とアフターコロナでの変容」と題して、9月18日、25日の2部に福士美奈子が参加します。
青森という地域を拠点として「建築家」として働くこと、リモートワークの現状をお話しさせていただきます。
これから建築の道を進もうとしている学生のみなさんに、「そんな生き方もアリなんだ」と思ってもらえれば幸いです!
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早速明日、一部の開催です。
組織設計とアトリエのコラボレーションにて日本建築学会作品選集新人賞を受賞されたお二人のお話しが伺えます!
東北大学学生以外の方も参加可能だそうです。
申込みは下記まで↓↓↓
https://www.facebook.com/CIAT-1769272920007699
やっといつもの秋がやってきた。。。
長過ぎた夏が去って、一息ついた青森です。
写真は先日青森駅前広場で開かれたイベント時の一コマ。
依然としてコロナ渦ではありますが、その対策を講じて多くの人が集まりました。
この広場(大きい意味では駅前エリア)は近年の中心街衰退を如実に示す場所のひとつでした。でも、アウガが市役所となり、空きビルだったサンフレンドビルは商工会議所となり、もう少しで駅も新しくなる、という動きの中にあります。
そして、2年前のねぶた祭の直前にオープンしたAomori Startup Centerはこの商工会議所の1階にあります。
Aomori Startup Centerが生まれる過程を、このたび1冊の本にまとめました!
完成した建物(空間)は写真や図面でご説明することが多いですが、いつも私達がどのように考え設計を進めているのか、その過程をまとめた本です。
いつものプロジェクトにも増して多くの方々に支えられ、やっとカタチになったAomori Startup Center。
その方達への感謝の気持ちも込めてつくりました。
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設計は様々な条件のもと、クライアントの要望を盛込み、新たなカタチを生みだすもの。
完成した姿からは窺い知れない、奥に隠された隠し味をご紹介するような、そんな1冊です。
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10年ほど前から多くの方々とともに駅前を、アウガを見てきました。
これから青森市中心街はどう変わっていったらいいのだろう?
多くの問題がMAXになった状態の中で、建築にできること、私達にできることとは?
ここ数年の間「プラスえん」から始まり、新庁舎の1階はサードプレイスとなり、大小様々な「居場所」をつくる機会に恵まれました。
このAomori Startup Centerは、青森駅前広場に面していたこの場所だからこそ生まれたアイデアです。
広場に開かれた「居場所」として、その空間にはこの柔らかな曲線が適していた。。。
人の流れを妨げることなく、かつその動きを可視化し、それでいて空間を表現する。。。
どのようにしてこの曲線が生まれたのか、その過程をご紹介しています。
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毎回異なるシチュエーションに悪戦苦闘するのは毎度のことながら完成まで辿り着くと、ついついその過程は記憶の彼方に。。。
今回はそれをきちんとカタチにしてみようと思い立ちました。
膨大なメモと資料、記憶をつなぎあわせていく作業を一緒にしてくれたカッコトジの齋藤純子さんと櫻モジロウさんに心から感謝いたします。
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こちらの本は、オープンハウス会場にてご覧いただくことができます。
そちらもどうぞお楽しみに!
オープンハウスの詳細はコチラ↓↓↓
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